第73話

追憶 赤色の夢物語
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2025/10/04 11:00 更新




僕は世間一般で言う貴族だった


それなりに裕福で幸せだったと思う


学園でも成績は優秀な方だったし、留学だって行っていた


でも、いつからだろう


家族が壊れていったのは


子供な僕には分からない事ばかりだった


お父さんが領地に納めるお金を、規定値より多めに設定してただとか



お母さんが別の人と家庭を築いていただとか


そんなの、僕にはわからない


だってだって、だって…僕は子供だから


日に日に悪くなっていく空気をどうにかしようと、
持ち前のコミュニケーション能力で頑張ったのに


目の前の食事がひっくり返った、お皿が割れる音がした


2人の怒鳴り声が聞こえた


その時やっと察した、もうあの時のような家族には戻れないんだと



使用人は、1人、またひとりと辞めていく


お母さんは家を出ていった



お父さんは……夜な夜な来る領地の人をブチ切れながら追い返している


そんな毎日が続いていたある日



居場所の無くなった学園の帰り道



僕は、攫われた

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