第23話

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2024/05/05 12:02

大介side









俺が側から見ていてもわかる、2人の不器用加減。



照の突っ走ってしまう純粋さにも、
辰哉さんの主張しない優しさにも、双方に胸が締め付けられる。





俺と兄ちゃんに言わせてみれば、ちゃんと向き合って寄り添えあえればただのいいカップルに見えるんだよ。


不器用さと初心さ、互いの未熟さが後をひいていて、今この拗らせた関係になっている。













大介「辰哉さん、」



今にも泣いてしまいそうな彼に、どうしても大丈夫だと伝えたかった。

心配しなくても、あいつの思いは貴方に向いていると伝えたくてしょうがなかった。







でも…………










大介「そんなに、自分を責めないで」




好きの思いは、たとえ時間がかかっても自分で伝えなきゃ意味がない。







大介「自分の気持ちに素直になった方が、生きやすいよ」





今の俺の役目は、照の思いを辰哉さんに伝えるんじゃない。

すれ違ってしまいそうな2人を必死にでも引き寄せてあげるんだ。








照が胸を張って辰哉さんを愛していると言えて、


辰哉さんが涙なんか流さずにずっと笑顔でいれる。




それを目指して、俺たちが支えなきゃなんだよね。兄ちゃん。









辰哉「自分の気持ちに、素直になる………」






嘘っぽくペラペラだった笑みも、きっとすぐいつもの笑顔に戻るだろう。



俺たちはそれまで、ちょっとだけのお手伝いをするだけだから。








大介「自分で行動しなきゃ、何も変わらないんだよ」






恋愛初心に関しては自分も否めないんだけどね、笑


でも、人一倍アニメで鍛えたから。

今の言葉もあるアニメの受け売りなんだけど、多分刺さったでしょ?









似ている2人はどこか違っていて、同じくらい繊細だ。



ちょっと扱いを間違えれば、すぐにはらりと散ってしまう花弁のようで。


だからこそ綺麗だという人がいる。







俺にとって大切になった2人には、目一杯幸せになってほしいから。







すぐに散ってしまうよりも、しっかり実をつけてくれた方が何倍も嬉しいな。














大介「照、辰哉さん」


大介「2人とも自分に素直になって!笑」










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