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次の日もそのまた次の日も、ジミンくんに避けられる日が続いた。
最近は教室に入っても姿はなくて、ホームルームが始まるギリギリで入ってくる。
それが辛くて、悲しくて、寂しい。
もう今は、ジミンくんの顔を見るのも辛くて話しかける勇気すら出ない。
なんて思っていた時。
『ジミン、』
JM「……あぁ、ジス」
'ジミン'と慣れたように彼の名前を呼ぶ女の子が教室へ入ってきた。
そしてジミンくんも彼女の呼びかけにこたえている。
ジス………?
え、誰………?
なんでそんな、親しげなの?
ジミンくん、友達いないって言ってたのに……
『じゃあまたね』
JM「うん、またね」
ジミンくんが私と接する時の態度と違うのはなんでだろう。
もう随分前からお互いを知っているかのよう。
あんな風に女の子と話すジミンくん、初めて見た。
ズキズキして心が痛い。
なんで辛いかなんてわかってる。
私は、やっぱりジミンくんが好き。
でも今のは見たくなかったよ。
ジミンくんが私以外の子と仲良くしてるのなんて見たくない。
って、私が言えることじゃないよね。
TH「あなたっ」
「………」
TH「ね、待ってってばっ…」
「なに……」
1人でトボトボ帰っていると、テヒョンに引き止められた。
息が切れてるから走って私を追いかけてきたのかな。
ジミンくんだったらよかった、なんてね……。
TH「元気ないのって、俺のせい?」
私の機嫌を伺うようにして覗き込んでくる。
「テヒョンのせいじゃないよ」
TH「ミナとソヨンから聞いた。あなたがあいつに避けられてて元気ないって」
「………」
TH「そんな顔されると、俺辛いんだけど」
「ごめん…」
鼻がツンとして私の目には涙が滲む。
TH「なんで、あいつなんかに泣かされてんの…」
「っ、」
TH「むかつく。まじ悔しい」
私のほっぺをつねって無理矢理目を合わせるテヒョン。
その表情は少し不機嫌。
TH「もう俺じゃ無理ってこと?」
「………」
テヒョンの言葉に思わず立ち止まった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。