俺はパイファーの手入れをしながら呟いた
グエリーナで見たあの光景
マネージャーが、敵兵と馴れ馴れしく話していた姿
そして敵兵もまるでマネージャーと何度かあっていたかのような振る舞い方
どんなに振り返っても異常なことは異常だ
あれからマネージャーとも連絡が取れない
まさか、マネージャーが黒幕?
いや、そんなこと、絶対ない
2日前のテレビ、
あの時、マネージャーはずっと家にいた
そのことを確認することが出来ていた
グライスに監視を頼んでいたからそれは確定だ
ならば、一体誰が
ドアを開けたグライスはトコトコと俺の方へやってくる
そう言われてみたのはタブレット
画面には
画面には、敬助が写っていた
しかし、敬助は今俺の横で眠っている
気を失ってから飯も食わず、夜も眠らずずっと付きっきりだった
そんな、抜け出すことなんてできない
そもそも敬助は自分の分身を出せない
なら、こいつは誰なのだ
俺は敬助がいるから動かない
とは言いたかったが、
正直、敬助が目覚めるのは今日のところは無さそうだ
なら、出てもいいか
そうして、俺は家を出ていった
なんだ、ここは
くらい
寒い
そうだ、
あいつが
何故なんだ
俺は信頼していたのに
何故俺をこのくらい場所に監禁するんだ
そうなったら、君はもう用済みだ
そういった敬助は、部屋から出ていった
ここは、俺の部屋だった
俺の部屋が真っ黒に染められていた
まるで、
敬助の服のように
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!