戻ろうとすれば会場から参加者が次々と出ていく
驚いていると分かりきったように権兵衛は見ていた
そうして、純が私を見るなり心配しているような顔で話しかけてくれた
光士郎も私を見つけると話しかけてきた
権兵衛と話すのに夢中だったため、会場で何が起こったのかが分からなかった
けれども3人はどこか怒っていて、その怒りが収まったように淡々としていた
これは3人の計画のうちだったのか…?
今回のことは詳しく話さず、そのまま家へ帰った
夜。冷たい空気の中でさらに冷たい風が体を打つように吹く
部屋に入るなり、外とはまた違う寒さに襲われる
ストーブは付いておらず、けれども外よりはほのかに暖かい
部屋にそっと入るなり、純が静かにストーブの電源をつける
3人は黙々と部屋に入っていき、私はそれをただぼうっと眺めているだけだった
けれども3人はまだ怒っていて、どこか悲しそうな顔つきをしていた
気にかけていたのは私だけでなく、3人もそうだったのだろう
私は申し訳なく感じてしまった
私のたった一つの事なのに、空気を壊し、3人の気持ちを損ねてしまった
私も自分の部屋で一息をつこうとした
静かに光士郎の部屋の前を通る
足音を立てず、ゆっくりと歩いた
部屋の戸をそっと押し、扉を開ける
・✧-ver.光士郎-✧・
扉がそっと開く
顔を覗かせるようにあなたのお名前🔍がこちらを見る
俺を見るないなや扉を閉じようとする
俺はそれが気に食わず、腕を掴み阻止した
驚いた顔つきで俺を見つめながら問いかける
即座に答えた
あなたのお名前🔍は驚き、少し考え込んだ後「良いよ」と答えてくれた
その時の顔は少し赤みがかっており、耳が真っ赤になっていた
カチ…カチ…と時計の秒針が部屋に響き渡る
23時を過ぎた。無言の空気。俺はそれがあまりにも退屈で仕方がなかった
俺の膝に乗り、呑気そうに問いかけた
髪はサラサラで触り心地が良い
彼女からほのかに良いローズの香りがしてくる。香水をしているのだろう
正直、こうしているだけでも眠気がしてくる
つい口に出てしまった
そしてそっと「すまなかった」と彼女に謝った
少しの間の後、彼女はクスッと笑った
彼女はそう笑顔で話した
その顔を見て、今日もまた思う
彼女に出会えて良かった、と
彼女は気にしていないように感じた
仕草や話し方、声のトーンまでもがいつもと変わっていなかったからだ
「一緒に寝よう?」と優しく問いかけてくる彼女
俺には断る権利など無く、そのまま「良いぞ」と答え、暖かいベッドの中で一緒に寝た














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。