昼休みも残り10分になってきた頃 、
階段裏を離れ 、廊下を並んで歩く私たち 。
あのアニメは見たか 、あれは食べてみたか 、
この猫の動画は見たか と
肩を並べて話している様子は
それは仲睦まじそうに見えるのだろう 。
横を向けばそれを妬んでいるのであろう
女の子たちとよく目が合う 。
今となっては恒例だけれど 。
そして 、当の本人である私は
この微妙に風が通り抜ける 2 人の隙間に
必要以上に意識を注いでいた 。
話の渦中にあるのは
レンタルショップで借りるようなアニメ 。
意味わからん というような顔をする彼に
君がオタクすぎるんだよ と似た顔を返す 。
“ デート ”
聞きなれない言葉に心臓がドクンと跳ねる 。
血がブワッと湧き出て 、
身体中の体温が一気に上がっていくあの感じ 。
自分が勝手に心の中で思うのと 、
言葉にされるのでは具合が違う 。
そんな事言っちゃって … と
平常心を保つために可愛げもなく 、
目も合わせれず 、ただ口にした 。
隠したくても期待のせいで声は震えていた 。
目の前には教室の扉
いつの間にか目的地に着いていて 、
リノはその引き戸を開ける 。
と同時に
少し顔を近づけて 、少し小声で彼が言う 。
大きく目を見開いた間抜けな顔が
彼の瞳の中に映る 。
まるで私の全てが筒抜けかのように思えた 。
照れ隠しも期待もこの想いも全て 。
思わず「 好き 」が溢れそうな瞬間
それを必死に教室の笑い声が引き留める 。
甘くて高まりが抑えれない
時が止まったようなたったの 5 秒間だった 。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。