細い路地、拳銃を持った人の足元には倒れている人の血溜まりができていた
私が銃を持っている彼に話しかけると、ゆっくりと頭だけが動き
深海のような深い青紫色の鋭い目に自分が映った
背筋が凍るような、殺伐とした空気
そんな中で私はある疑問を待った
なんとなくだが、私はその顔立ちに覚えがあった
そして、その人は私を見るなり、目を見開いて驚いた顔をした
途端にさっきまでの空気感は消え、春らしい少し肌寒い風が細い路地を通り抜けた
私の言葉を聞き、彼は慌てるように黒色の革手袋をはめたままの手でスマホを取り出してマップを確認した
口の前で人差し指を立て、困り眉でヘラっと笑った
先ほどの困った子犬みたいな笑顔とは違うキザな笑みを見せた後、誰もいないところに「片付けといて」と一言吐いた
すると、私が来た道から続々と黒スーツを着、サングラスをかけた人たちが何十人と現れた
全員が同じ格好をしているのもあり、威圧感がひしひしと感じられる
その中を空のような水色の髪が可愛らしい顔に合う、紺色のスーツを着崩した人が前に出てきた
水色髪の彼が目線を自分の足元から上にあげるとき私の目線と会ってしまった
その人は私のことを眉をひそめ、ジロジロと見ると、何かを思い出したように微笑んだ
ころんと呼ばれた人は明後日の方向を見ながら、「えっと…」と言いながら明らかに言い訳を考えていた
彗桜組は自分の組と同じく、ヤクザ内で有名な組の一つ
最近組長が亡くなってしまい、当時若頭だった人が今は組の指揮をとってると前に深刻な顔したお父さんが言っていた
私の前にいる人こそ“現”彗桜組の組長『さとみ』












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。