彼が急に消えてしまいそうだった。
あの宝石のような瞳を閉じて、ずっと目を覚まさないんじゃないかと不安になった。
消えないでくれ。
俺より先にいなくならないで。
絶対に叶わないそんなことを祈る日は、もう何回目だろうか。
カゲツからライを寝させたと聞いたとき、俺は安心した。
ここ最近、寝ずに作業をしているのを知っていたから、心配でたまらなかったのだ。
きっと、ライバー活動とヒーロー任務が多くなっていたのだろうと考える。
ライは休むことを知らないから、限界が来るまで我慢してしまう。
俺もライの限界を知らないから、限界が来る前に助けることができない。
無力な自分に失望する。
大切な人も守れなくて、なにがヒーローだ。
ある日、珍しく星導が俺のことを呼び出した。
今日は拠点に俺と星導しかいなかったため、ソファで寛ぎながら話を聞く。
星導は何やら真剣な顔で話を始める。
久々に星導の大声を聞いたなと、呑気に思う。
それと同時に、少し驚きもあった。
実際、星導が言ったことは正しかった。
俺はライに依存しているし、あわよくばライを不老不死にしてやりたい。
だけど、たとえ歳を重ねないとしても、人間には死が待っている。
俺らは違う。
人間よりも身体が強く、長寿だ。
ライやカゲツが俺らより先に死ぬのは、道理である。
ただ、星導もカゲツに依存している。
言い聞かせているということは知っていたが、そこまで深刻なものとは思っていなかった。
そう言って星導は自室に戻って行った。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。