──昼休み。
みんなの声が聞こえる。
このまま昼休みをぼーっと過ごすわけにもいかない。有意義に使おう。
今日なら図書室が開いているはず。
さっそく席を立って、廊下へ出る。
目当ての本を探していると、聞き覚えのある声が聞こえる。
咄嗟に本棚へ身を隠す。
明るくて、クラスでも人気がある★★さん。
そんな彼女が、愛斗君に何を……?
しかも何やら重大そうな雰囲気。
何を、なんて。一つに決まっている。
わざわざ人気が無い図書室に呼び出すなんて。
愛斗君と、もう話せないかもしれない。
なんて考えていたら、時が来てしまった。
────あぁ。きっと愛斗君は、いいよって言うんだろうな。
彼は誰にでも優しいから。優しいのは私にだけじゃない。
今朝、君が一緒に来てくれて。「もしかしたら……」って。思ってた私が間違ってたんだ。
段々と視界に霧がかかってく。私の心みたいに。
思わず膝から崩れ落ちる。
分かっていたんだ。最初から。
受け入れたくなかっただけ。現実を。
2人がいなくなり、誰もいない図書室でそう呟く。
放課後。あの告白が無かったかのように、愛斗君が話しかけてくれた。
帰り道。家までは、まだ距離がある。
愛斗君はまだ知らない。あの場に私がいたことも、私が何をしようとしているのかも。
正直、こんな事するのも悔やまれる。
けど。もうやるしかない。
愛斗君の顔がサーッと冷めていく。
カバンの中から、小さなステッキを出す。
その見た目は可愛らしく、先端には星が付いている。
ステッキを振って、変身する。
辺りが光りに包まれる。
みるみるうちに、私の姿は別人のようになった。
さよなら。愛しい人。
ステッキ一振り。貴方は動かなくなった。
そして………
全て 捨てて ぽいっ★












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。