あー寒い
食堂でレイラーさんと会って、流れで学舎まで一緒に行くことになった。
今はいつも通り広場でiemonさんを待ってるところ。
何回言うんですか、それ
だって寒いし
まあそうですけど…
………
…ねえ
ん?
ほんとに私居ていいんですか?
……ん?
いや、気まずくなりそうで
ああ、3人だとってこと?
そう
全然いいと思うけど
これも何回も言ってるけど、私たち討伐隊の仲間なんだから
まあ……
でも間に入るのLatteさんですからね
え?
うまく会話回してくださいよ
………
そういうの私ができそうに見える?
いや?
じゃあ言わないで…
そうですね、すみません
………
感情のこもってない謝罪を聞きながら時計を見る。
今の時間は……7時45分?
おかしいな。いつもは数分前後することはあっても、
大体半頃には落ち合ってるのに。
遅い……
ん…そうなんだ
まあ結構待ってますしね
私もレイラーさんと話しながらだったから、少し遅い時間に出てきた。
だけどiemonさんが先行くことはない思う。
もうちょい待って来なかったら先行こっか
はい
こんなこと今までなかったけどな。
iemonさんが寝坊とか考えつかないし。
体調が悪いっていう可能性もなくはないけど……
ごめん、遅れた!
……!
色々と考えているうちに、待ち人が来たらしい。
……ん?
Latteさん、レイラーさんも!
おはようございます!
こっちに走ってきたiemonさんの後ろから、レイマリさんがひょこっと顔を出す。
は、なんでレイマリさん……
そっちも仲良くなったんだ
…まあ、色々あって
寒い中待たせて悪いな
それはいいけど
なんか、iemonさんが他の人といるの新鮮だな。
私が言えたことじゃないけどさ。
今日は時間に余裕があるんですね
えっ?
いつも遅刻、よくてHR数分前に教室来るくせに
えへへ、iemonさんが起こしてくれたんですよ
おかげで今日は間に合いそう!
こっちはそのせいで待ち合わせに15分も遅れたんだが
それはごめんなさい!
俺よりLatteさんに謝って
ごめんなさい!Latteさん!!
いや大丈夫……
相変わらず勢いがすごい。
あとiemonさんが起こしてくれたって言ったよね。
いきなり距離縮まりすぎじゃない?
ほら早く行きましょ
そんな怖い顔しないでくださいよ〜
レイラーさんもごめんね?
まったく、ほんとですよ
歩き始めた2人に私とiemonさんも続く。
こんな大人数で歩くの初めて。
ねえ、レイマリさんは朝ごはん食べてるの
今日は食べましたよ!iemonさんと!
食べてんですか!?人を待たせといて?
時間見てなかった。申し訳ない
一緒にってことはiemonさんも寝坊したってこと?
んー、まあちょっと
ふーん
そうなんだ、珍しい。
そうだ、2人のクラスは?
僕たちはD-2なんですけど〜
俺らはD-6
ああ、階違うんですね
だから学舎ではすれ違ったことないと思う
ロッカーも…ちょっと離れてるか
そうですね、私は使ってないけど
いつも?
そう。私のやつ全然開かないんですよ
そういえば前に言ってたね
僕もロッカールーム行くの面倒だから使ってないなあ
そもそも朝に寄る時間ないでしょ
それはそう!
やっぱり使わない人もいるよね。結構不便だし。
でも毎日重い荷物持って帰るのもな…って感じ。
そして、そんな話をしているうちに学舎に着いた。
じゃあ、こっちはロッカー行くから
あー…もうお別れですか
また放課後、かな
そうですね
……
いや、お昼一緒に食べましょうよ!
え?でもお昼は
いいじゃないですか、食べてからでも!
それか放課後!談話室行く前とか
えー……
そもそも勝手に決めてるし
呆れたような顔のレイラーさんとふと目が合う。
確か15の子探しに行くって言ってたもんな。
わ、私たちはどっちでもいいけど
みんなで食べるのも楽しそうだし
え、ああ……
ねえiemonさん
うん
ほらいいって、レイラーさん!
………
……わかりました
やったあ!
じゃあ2人とも、お昼に!
ここ待ち合わせかな
そうですね!
……
また後でね、レイラーさん
あ、また後で…!
手を振りながら2人は階段を上っていった。
レイマリさんの楽しそうな声が微かに聞こえてくる。
昨日レイラーさんはああ言ってたけど、やっぱり仲良いんだと思う。
俺らも行こ
ん、そうだね
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。