普段鈴木さんは…
運動しないと言っていた
きっと佐々木さんと一緒に走りたかったんだろうな
あれから肌寒い風を切りながら
私達は走りグラウンドに着いた
どうやら間に合ッ((
……間に合わなかったみたい
この人は…吉田(よしだ) 真紗美(まさみ)先輩
谷津村先輩の同じクラスの人
この人は…相手の気持ちを無視してくる人
でも…さすが3年間もこの学校にいた人
谷津村先輩の代の3年生は優秀な人ばっかり
色々な場数を踏んできてるからこの言葉の重さがある
この人が喋ると少し息がしずらくなる…
布団に潜った時みたいに息がしずらくなる……
あぁ〜、火に油を注ぐだよそれは
遥香さんは自分の気持ちを伝えるのが上手い人
嫌だったら嫌と言う子
いいな
だめだめだめだめ…
それじゃもっとヒートアップしちゃう!
佐々木さんが
息をするように正論を吐いた
佐々木さんが居る時は
吉田先輩とピリピリなりにくくなる
佐々木さんは他の授業の助っ人だとか
先生の手伝いを基本的にしているため
あまり合同授業には顔を出さない
佐々木さんの言ってることは間違えないし
正論…だと思う
きっと自分の立場が悪くなって私に言って来たんだろうな
疾雰くんだ
この人が来た瞬間
空気が変わった
さっきまでピリピリしてて気まずい状況も嘘かのように
やっぱり
疾雰くんでも谷津村先輩は大変な存在なんだな
吉田先輩の雰囲気が…
普通の女の子になった
疾雰くん
入学式当日でも名前で呼んでよって言われたら
すぐに誰かれ構わず呼べる人だからな
私の事も下の名前で呼ぼうかって
わざわざ聞いてくれたからな
本当に疾雰くんは
誰でも親切に出来る人
こんな私でも…
声を掛けてくれたから
私は……こんな人間だから
知らない人なんかに声なんて掛けれない
喉に熱い熱湯を掛けられたかのように…
声が出なくなって暑くなってしまうから
昔は吐きそうにもなってた
でも最近はそんな事少なくなっていってるから
きっと慣れてきたのかな…この学校に
この…少し息が掛かったような声
特徴的で
忘れられない程の存在感…
凄い圧
さっきまでの空気が凍ったように
冷たい…
ッッ怖い
あッ、足が…
終わり
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。