「えぇー、皆さん知っているでしょうか、今日は転校生が来ています。入ってきてください。」
教室のドアが控えめに開く。特徴的な赤みがかった癖っ毛と少し曲がった背筋。なにより、明るいオレンジ色ー琥珀の瞳が春の光に照らされ煌めく様子に目を奪われた。
「はじめまして、那月琥珀です。よろしくお願いします。」
外国の人特有の日本語の訛りがあった。容姿といい、おそらくハーフなのだろう。
「えー、那月さんは、そこ。本田さんの隣に座ってくださーい。」
隣か、めんどくさいな。説明とか色々セットにされがちだよな。
なんとなくあの琥珀色が気に食わなかった。こいつの面倒見係とかごめんだと思った。
「よろしく」
あまり喋らずお高く止まった態度も気に食わない。
その目を見るだけでイライラする。
そいつはとにかくなんでもできた。勉強も運動も、おまけに外国風の顔立ちで、すっかりクラスの注目の的。
あぁ、気に食わない。自分を見る人がいる。評価してもらえてる。それなのにそれがさぞ当たり前という態度。なんて傲慢なのだろう。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。