中学2年生になった。燕の雛がいっそう鳴いた春。桜の見えるなんとも騒々しい教室。そんな日に彼女はやってきた。
今日は転校生が来るということで、クラスはざわついてる。
「転校生来るらしいぜ」
「女かな、男かな、」
「俺女に一票!」
「うわきも」
「だからもてねぇんだよ」
「なにをー!」
「なあ、本田、俺ってモテねえのか?」
正直興味ない。しかし騒々しい彼らに付き合わないとノリの悪い奴だと思われる。口を開かねば。
「モテはしないね。そんなことよりそろそろチャイムなるよ〜?」
「あ、やべ」
「田中先生に怒られるべ」
「座れ座れ」
チャイムの間、窓の外をふと見ると、黄色い花が目についた。おそらくたんぽぽ。
こんなに目立つ色をしていても、所詮雑草。誰も見向きもしない。あれは集合花と言って、いくつかの花びらが集まってできていると理科でやった。なんとなく、お似合いだと思った。あたし、本田つづみに。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。