前の話
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桜の花弁が散っている。
俺達がこの大学で2年生になって数日経った。
俺達はいつもこの4人でいる。
本当は5人だったけれど、そいつは
目立つ様になって、好かれ続けて。
ある日を境にサークルの集まり以外では
あまり関わる事が少なくなってしまった。
でも4人で一緒にいられるだけでも嬉しいものだ。
言い過ぎかもしれないが、俺達は
誰もが認める程の仲良しグループだと思う。
サークルも同じ。出身校も同じ。
ゲーム好きってとこも同じ。
たまに言い合う事があってもすぐ仲直りする。
本当に仲が良い最高のグループなんだ。
4人でいつもの通りじゃれ合いながら
下駄箱で靴を履き替えていると
女子生徒達のキャーキャー叫ぶ声が聞こえた。
いつものようにあざとく手を振って
こっちに来る優心。彼奴はこの学校の中で
誰よりもモテる。それは性別の壁すらも超えて、
男女関係無く虜にしてしまう程だ。
仕方なくそのままの状態で放置して
俺達は活動場所に移動した。
俺達の活動は簡単に言うとゲーム実況。
メンバーは5人だけだが、動画投稿もしていて
大体は集団で出来るゲームで遊んでいる。
たまにプログラミングをしてみたり、ゲームを
作ってみたりもしていて、とても楽しい日々だ。
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今日は2対2でゲームをする。
チームはくじ引きで決まって、先に
自分のチームが3点取れば勝利というルール。
勿論罰ゲームもありで、負けた方のチームは
5人分の昼食と飲み物とお菓子を買いに行く
事になっている。
今日は実況を撮る日という訳では無いが、
プライベートで集まっては面白おかしく
ゲームをやっている。今日投稿する分は
ストックしていた物を予約して決まった時間に
出される様に設定している。正直、実況撮る度に
俺が優心の事嫌いだろっていう説を出されない様に
実況モードのスイッチを入れなくて済むから
プライベートでやるのは気が楽になる。
…と、思っていたのもつかの間。
まさかのくじ引きで優心とチームを
組むとは思ってもなかった。
実況内ならまだいい。スイッチ入ってるしね?
普通に「頑張ろうねぇ。」って返せるしさ?
嫌いって気持ちも少しは忘れられるしさ?
でもプライベートでこうなるとか
マジで神は俺の事嫌ってんのか????
ファミレスで後で1万円以上頼んでやる…。
気を取り直して、今回やるゲームは
〇よぷよテト〇ス2というゲーム。
(このゲームは作者がポ〇モンとマ〇クラの次に
やり込んでるゲームで、作者自身は
ストーリーはクリア出来てないらしい。
ぷよテトミックスがムズいんだとか。)
操作は簡単だが、少しでも間違えればそれが
命取りになる。中々やりがいのあるゲームだ。
正直、俺はこのゲームがすごく得意だった。
冷静に考えながらやっていればこんなゲーム
簡単にクリアする事が出来るから。
特にテト〇スなんて、一斉に消すための
スペースを開けた状態でそこを塞がずに
水色のテト〇ミノを差し込めば一気に
大ダメージを負わせることができる。
ただ、問題は優心だ。
優心はこのゲームをあまりやった事がない。
だからそこを上手くカバー出来れば
いい話なのだが、カバーする事だけを
考えてしまうと自分のフィールド上に
相手から送られてきたお邪魔が処理しきれずに
自分が負けてしまう可能性がある。
そもそも俺と優心にチームワークもクソも
無いけどな。
2人は肩を組んで(澄春が一方的に組まれてるけど)
仲の良さをアピールしてきた。アーハイハイナカヨシダネー。
そんな二人を見て、対抗心が出てきたのか
優心も負けじと声を張り上げ俺に抱き着いてきた。
暑苦しい離れろ邪魔だ。
俺は無理やり優心を引き剥がして
コントローラーを握り、気を引き締めた。
今度罰ゲーム関係無しにファミレス奢って
貰えるとはいえ、ゲームに負けたくないから。
罰ゲームとか正直どうでもいいし、なんなら
優心とチーム組むのが1番の地獄だったから
早く終わらせたかったのだ。
それぞれ、自身の個性に合ったキャラを
選択し、テト〇スか〇よぷよかを選んだ。
俺はテト〇スの方が断然やりやすいので
テト〇スを選んだ。選び終わった後に
難易度選択を終わらせ、ゲームは開始した。
そこからは集中していたのであまり覚えていない。
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試合は3対2で陽斗と澄春のチームの勝利だった。
最後のところ、もう少しで一気に消せると思った
のに水色のテト〇ミノを操作ミスで横に
回転させてしまい、動揺していたところを
大連鎖でこっち側に来たお邪魔が下側から
どんどんと積み上がってきて最終的に
GAME OVERになってしまった。
ちなみに優心は終始ずっと死んでた。
澄春と陽斗はお互いの手を握り合って
「やった!やった!」と幼児のように
ぴょんぴょんと飛び跳ねている。可愛いかよ。
適当な事言ってあしらおうとしたら
ふっつーにこいつ頷いてお礼言いやがった。
(゚д゚)ハァ?こいつ単純すぎんだろ。
アホか?アホなのかお前は?脳みそあるのか?
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テレテレテテーン テレテテテテーン
(某コンビニ)
「アリガトウゴザッシター」
4人分の昼飯と、5人分の飲み物とお菓子を
何とか買い終えた帰り道。お互い片手には
めっちゃ食品とかが入ってる袋。
最初は俺が持とうとしたんだけど、体力と
腕力が無い俺は両手で袋を持った瞬間
袋が地面に激突した。あまりにも持ち上がる
気配が無かったので飲み物の入ってない方の
袋を優心に持ってもらった。借りを作るの
本当は嫌だったんだけどな…()
プルルルルル
ポケットの中に入れているスマホが
振動している。あいつらから連絡かと思ったが、
相手は全く別の人だった。
ピッ
ピッ
知桜都さんは、俺がまだ赤ちゃんだった頃に
本当の両親に路地裏で捨てられていた所を
保護されて母親として俺を育ててくれている。
少し…と言うよりも大分過保護な人で、
俺が少しでも咳をすると国立病院に連れて行って
しまう程だ。正直知桜都さんは、謎に包まれた
不思議な方だ。職業も不明、出身地も不明、
血液型も生い立ちも。殆どのことが不明。
それでも俺は、俺を大事に育ててくれて
俺自身を否定せずに愛してくれた知桜都さんが
大好きだった。別に、マザコンというわけでも
グラマラスな女性が好きというわけでもない。
純粋に俺の事を認めてくれた知桜都さんの優しさが
暖かくて、心に染みて、嬉しかったんだ。
元々、発作を持つようになったのは
お前のせいでもあるのに。呑気なやつめ。
そんなとこも含めて、大嫌いだ。
ドンッ
少し落ち込んだような表情をする優心を
置いてけぼりにして先に進もうとすると、
何かにぶつかった。
それが人だと気づいて、上を見上げると
見るからにガラの悪そうな不良がいた。
それも、1人じゃなくて3人。
こいつ…俺が身長の事気にしてんのに
おチビちゃんとか言いやがって…ぶっ殺すぞ。
その足切断してチビの気持ち味合わせてやろうか?
大袈裟に言ってるけど骨折って無理やり
人に曲がらない方向に曲がらせられたっていう
風に骨折させられてなかったら
そこまで痛くないからな?骨折したって
気づけないレベルだからな?
全国の骨折経験者に焼き土下座しろ???
つか俺がぶつかっただけで骨折するとか弱ない?
いやお前アホすぎね?
絶対嘘だからね?あれ。あんなクソ芝居
普通騙される人いないからね?
お前アホの度合い超えてるよ?
不良にもアホって言われたよこいつ。
もうダメだこりゃ。こいつ究極のアホだ。
詐欺にも余裕で騙されそうな究極のアホだ。
そう言って不良は俺に視線を向ける。
お前何する気だ???死ぬぞ???
俺の(可愛くて優しい)知桜都さんに殺されるぞ?
つかマジで何する気だ?臓器はあげねぇからな?
は????こいっつ…またチビって
言いやがったな…?お前の(自主規制)蹴って
二度と卒業出来ねぇようにしてやろうか?
有効活用って何するつもりなんだお前らは。
想像したくもねぇ…まさか…?いや、マジでやめろ?
俺には知桜都さんっていう世界一可愛くて
世界一優しい彼女(母親)がいるんだぞ。
俺をそっちの世界に連れてくな???
俺は男に興味無いし、そういう事にも
興味無いからな?絶対嫌だからな?
お前まさか引き渡すつもりじゃねぇよな?
いや、このアホだからやりかねない。
もし引き渡して逃げたらお前の事大好きなヤツに
監禁されてサンドバックにされる呪いを
かけてやるからな?
俺は優心に手を掴まれて連れていかれた。
荷物とか持ってたから走りずらかったし
帰った時炭酸系飲料はしばらく開けるなって
陽斗に言っとかなきゃいけなくなってしまった。
あー…帰った時の言い訳考えなきゃな…。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。