気狂い野郎に囁く
俺に逆らえない犬の分際で許可なしに触れるなと
ちゃんと分からせてやろう
どっちが上の立場なのか
きっとお前等は俺がなくては生きていけないのだろう
それなら俺の言う事を聞いて貰うぞ
俺の顔色を伺って這いつくばって一生を棒に振れ
俺は " バ ー カ " とげたげたと笑いながら
気狂い野郎を付き飛ばす
突き飛ばす時なんだか時がスローモーションに見えて
眼鏡がずり落ちつつ何も映らない無い闇に落ちていく
気狂い野郎が見えた
そいつの表情はうっとりとしていてまるで
支配される事に興奮を覚えているような
気色悪い 。そんな顔するより無愛想の方が
マシだなとあくびをしながら思った
闇に吸い込まれていった気狂い野郎はそのまま姿を消した
夢から覚めたのか それともまた別か
謎はまだまだ多い 。
棒立ちしている日向の方に向き直り
お前もだからなと指さしてふんと鼻で笑ってやる
キョドりながらこくこくと顔を上下させる
素直でよろしい
優しくしてあげようじゃないか !!
向こう( 現実 )の俺が !
日向と俺を結ぶ糸を引っ張り、傍へ
そろそろお前も目覚めなと
気狂い野郎が消えた深い闇へと日向を放り込む
闇へ消える時に何か言っていたような
気もしたが気にしない気にしない
人数が増えるとこんなにも厄介になるのか
探すのが面倒になったが何れにしても出会う運命にあるのだろう
俺の勘が俺の指がまたちくりと痛む












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!