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第3話

居酒屋で
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2024/04/06 09:00
出勤してすぐは同じ時期に入社した人たちの名前と顔を覚えて案外すぐに仲良くなった。名前を小畑と言った。
早速その夜飲みに行こうということになって、近くにある居酒屋に立ち寄った。
すると、その同期からとんでもない
ことが口にされた。
小畑
小畑
「実はさー、この前普通に仕事してたわけよ、そしたら上司の誰か知らんけどその人がさ、喫煙所に女性社員を引きずり込んでるのを見たんだよね。。。」
普通に僕は言葉を失った。それはパワハラだろう。僕の初勤務の時の何とも言えない雰囲気づくりといい、パワハラといい、とんでもない会社に来てしまったことを後悔した。しかしよくも世に広まらないな。。。なんて思っていた。「でさ、、、」と小畑はつづけた。
小畑
小畑
「口止めされたんだ。あんときお前見てたよな。誰にも言うんじゃねーぞ。ってさ。そう言われときながら今戸田川に言ってんだけどさw」
おっと、一話に言っていなかったのでかなり遅めの自己紹介と行こうか。
僕の名前は戸田川 昂輝。一話にも言っているが、小さい時に両親を亡くしぎりぎり踏ん張って生きてきた。そしてこうして保険会社で働くことになったのだが、、、どうやらとんでもないところに来てしまったようだ。
僕
「そうか、、、口止めされたんだな。どうりでこんな不祥事が世に広まらないと思った。ニュースになってたらこんな保険会社に就職してないよww」
小畑
小畑
だよなwww
とまあここまで話して保険会社についての話は終わって普通に食事をしながら世間話をしていた。
しかし居酒屋から帰ってからも保険会社の不祥事については頭から離れることはなかった。
そして翌日の出勤で、僕はとんでもないものを目にする。
それは、上司による新入社員への暴行だった。
僕が入社する一年前に入社したといういわゆる僕の先輩もまだまだ若手社員なのでお構いなしに殴られている。
しかし問題のベテラン社員はというと、そばで暴行を加えている上司と一緒にわらっている。
さすがに僕もカチンときたが、さすがに今飛び出してボコボコにしてやってもかえって事件が大きくなりそうと判断したので小畑には話したが今日のところは黙って見過ごすことにした。
その後はまるで暴行がなかったのように静まり返って普通に仕事をこなしている。こんなイかれた会社なんてみんな早々と立ち去ってしまいたいのに、上司に口止めされているのか、縛り付けられるように立ち上がることも出来ずに椅子に座って黙々と仕事をこなしている。
僕と小畑だけなのだろうか。。。

































この会社は狂っている。

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