ここは僕たちのお気に入りの場所から少し奥。
自殺にはとっておきの場所というか…ずっと前にあなたの仮の名前とここについて話した気がする。
って言ってもあなたの仮の名前が今のあなたの仮の名前じゃない時なんだけど。
目の前は海で、その先のある島と繋いだ一つの橋。
あなたの仮の名前が飛びそうなところを見つけてこっちに来ただけだ。
一見普通に接しているように見えてると思うが今にも死にそうなあなたの仮の名前を見て僕は焦っている。
平常心を保たないと僕が壊れていく。そんな気がしてならない。
あなたの仮の名前には説得力が全くない。
そんな目で、そんな辛そうな目で言われて、はいそうですか。ってなるような人じゃない。
僕は言ってくれるまで帰すつもりは、ほんの少しもなかった。
あなたの仮の名前は顔を歪ませながら言う。
今にも涙が溢れそう。とあなたの仮の名前の目は言っていた。
僕はそのあなたの仮の名前を見ているのが段々とできなくなって、一旦解散にした。
あなたの仮の名前がまた自殺をしようとしてないかが心配だ。
あなたの仮の名前目線
不思議なものだ。
名前すら知らない相手のことを知っている気になるなんて。
でも私は何かを失っている。心に穴が空いたような気持ちになった。
あれから数時間、私は自分の部屋の本棚を漁っていた。
愛緒と一緒に撮った写真が入っているアルバム。
最近は少し見たくなくなって見ていなかった。
でも、今日は久しぶりに見たい気分になったので探している。
すると本棚の少し奥の方にそのアルバムがあるのが見えた。
私は少し汚れている本の表紙を払ってアルバムを開ける。
すると私と愛緒の沢山の写真が目に入ってきた。
あっという間に見終わってしまって最後のページ。
最後のページを開いてみると私が今日行った橋の前で私と愛緒が立っていた。
でも、そんなことよりも私が驚いたのはその隣。
私と愛緒、そして_____。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。