第8話

あなたは誰…?
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2022/10/09 00:30
これは、ずっとずっとそのまた昔…あなたの下の名前が5歳の頃のお話。
幼い頃
幼い頃
愛緒と__くん! 一緒に遊ぼ?
幼い頃
幼い頃
まあ、良いけど。
幼い頃
幼い頃
じゃあ、




幼い頃
幼い頃
ゆきむら。・ ・ ・ ・ ・くんは遊べる?
ゆきむら。(幼い頃)
別に良いよ?
幼い頃
幼い頃
じゃあ決定ね!
幼い頃
幼い頃
どこ集合だよ。
幼い頃
幼い頃
私たちの秘密基地!
ゆきむら。
あの海が見えるとこ? 好きだよね、あなたの仮の名前。
幼い頃
幼い頃
も〜名前で呼んでよ!
幼い頃
幼い頃
そっちの方が呼びやすいんだろ。
ゆきむら。(幼い頃)
好きにさせてよ
幼い頃
幼い頃
まあ、ゆきむら。くんが付けてくれた名前だし…
ゆきむら。
あなたの仮の名前って呼んで良いんだ、ラッキー
幼い頃
幼い頃
良かったな。
幼い頃
幼い頃
私は良くないけどね!?
ゆきむら。(幼い頃)
あなたの仮の名前のことは考えてないよ。
幼い頃
幼い頃
本当に酷い!
幼い頃
幼い頃
って言ってても思ってないんだろうな。
(なまえ)
あなた
なんで、あの人がアルバムに…?
道理で何か知っている気がした。

あの人の名前も何もかも知らないけれど、何か初対面ではない感じがしていた。

まさか、私の友達だったなんて。でも、どうして?

なんのためにあなたはそこに居るの?
(なまえ)
あなた
会いたい。あそこに行けばまた会えるかな?
ゆきむら。目線

僕があの海の見える場所であなたの仮の名前を待っていると、

まだ少しいつもの時間よりも早いのにあなたの仮の名前が歩いてきていた。

僕の近くに来たかと思えば急に隣に座る。


そして、僕の目を見つめて一言。
(なまえ)
あなた
私とあなたって昔からの友達?
ゆきむら。
何言ってんだよ。あなたの仮の名前が一番知ってるだろ?
(なまえ)
あなた
でも、アルバムにあなたが写っているんです。
そう言ってあなたの仮の名前はそのアルバムを見せてくれた。

そのアルバムにはあなたの仮の名前が言った通り僕が写っている。
ゆきむら。
何て言えば良いんだろうな。
(なまえ)
あなた
何でも言ってください。受け止めます。
ゆきむら。
お前は記憶喪失なんだよ。ちょっと前から。
(なまえ)
あなた
ゆきむら。
あなたの仮の名前が記憶喪失だから僕を覚えていないだけ。
ゆきむら。
僕はあなたの仮の名前のこと、知ってたよ。
(なまえ)
あなた
じゃあ、なんで愛緒のこと知らなかったんですか?
(なまえ)
あなた
私の本名も知らなかったじゃないですか、
ゆきむら。
ん〜知らないふりをしてた。が正しいかも。名前は…忘れてただけ。
ずっと昔から僕はあなたの仮の名前のことは本名で呼んでいなかった。

だからただ忘れていただけ。
(なまえ)
あなた
もっと詳しいことを聞くよりもあなたの名前を聞きたいです。
ゆきむら。
僕はゆきむら。って言うんだ。覚えていないよな。
(なまえ)
あなた
ゆきむら。くんか…ちょっと覚えてるかも。
ゆきむら。
…な訳ないだろッ? お前は記憶喪失の筈。。
(なまえ)
あなた
愛緒のことは覚えてるし…覚えないといけない記憶を少なかったから。
僕は全身の力が抜けたような感覚になった。

これが安心というやつだろうか。

僕は心のどこかで昔のあなたの仮の名前が死んでしまったことも、

あなたの仮の名前が記憶喪失になったことも、受け止めきれていなかったのかもしれない、

まだ何か希望がある。そう、思っていたのかもしれない。
ゆきむら。
マジで良かった…
(なまえ)
あなた
そんな嬉しい?
ゆきむら。
当たり前だろ…ッ
僕がそう言った時、張り詰めていた糸が切れたのか、

死ぬように眠りについてしまった。 まだ聞きたいことが沢山あったのに…

僕は隣に座っているあなたの仮の名前に体を預けながら眠ってしまった。

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