第8話

居場所
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2026/01/26 14:14 更新
食満留三郎
みんな!少し集まってくれ!

放課後

食満先輩が用具委員の子達を集める
食満留三郎
新しく入ってくれるくのたま5年生のあなたの下の名前ちゃんだ。優しく教えてやってくれ!
あなた
くのたま5年生、あなたの名字あなたの下の名前です。よろしくお願いします

「「よろしくお願いします!」」

用具委員の元気な声が響く。
食満留三郎
よし、じゃああなたの下の名前は俺についてきてくれ。みんなは壁の補修を続けてくれ!

色々と指示を出す食満先輩は、本当に面倒見がいいのだなと思う。

伊作くんがあれほど信頼している理由がよく分かる
あなた
(お兄さんっぽいけど、留三郎って事は末っ子かな?)

食満先輩に着いていきながら色々と考えていると不意に話しかけられる。
食満留三郎
そういえば、あなたの下の名前ちゃんはどうしてくのたまに編入したんだ?
あなた
家を破門になったんです。職に困らないので忍者がいいかなと思いまして
食満留三郎
破門?!あなたの下の名前ちゃんが問題行動をするイメージあまり無いけど、何したんだ…?
あなた
縁談を破棄しました。お相手の方にも家族にも迷惑をかけてしまったので当たり前だと思っています
食満留三郎
そうか…
俺も最近、縁談が無くなったんだけど逆に気が楽になったし、相手ならあまり気にしなくてもいいと思うぞ。
あなた

…ありがとうございます

食満先輩の慰めに嬉しくなり少し頬が緩む。

面倒見がいいにも程があるだろうと思う
食満留三郎
あ、あなたの下の名前ちゃん漆喰使ったことあるんだっけな?
あなた
はい、少しなら。
食満留三郎
良かった!ちょうど壁の補修をしたかったから手伝ってくれ
あなた
分かりました

食満先輩から漆喰の道具一式を貰い穴の空いた壁に漆喰を塗る。

…壁に穴が空くって何をしたんだろう
食満留三郎
全く…
小平太の野郎、毎日のように壁を壊しやがって
あなた
毎日…?!
食満留三郎
そうなんだよ!塹壕掘りやらいけどんスパイクやら、体力の有り余ったあの馬鹿はすぐ壊すからな
あなた
えぇ…?すごい力ですね…

この深さの穴を作るなんて熊並の力なんじゃなかろうか
富松作兵衛
食満先輩!あっちの壁の補修は終わりました!
食満留三郎
お!じゃあこっちも手伝ってくれ
浜守一郎
分かりました!

後輩と思われる5人が食満先輩の方につくが、1年生が揃ってじーっとある方向を見ていた。
山村喜三太
……
福富しんベヱ
……
下坂部平太
……
食満留三郎
喜三太、しんベヱ、平太
あなたの下の名前ちゃんが気になるなら話しかけてみたらどうだ?
あなた
え、私?

私の後ろ側に何かあるのかと思ったが私だったのか
山村喜三太
あの!ナメクジさんは好きですか?!
あなた
山で育ったから嫌いじゃないよ
福富しんベヱ
お団子は好きですか?!食堂のおばちゃんのお団子もすごく美味しいんです!
あなた
そうなんだ、甘い物好きだから食べてみるね
下坂部平太
えっと、あの…
日陰ぼっこは好きですか…?
あなた
好きだよ。落ち着くよね

1年生の質問に答え終わると、キラキラとした視線をこちらに向けてくる。
あなた

不思議に思っていると少し空いていた距離がぐっと縮まった
山村喜三太
あなたの下の名前先輩、ナメクジさん見てください!
福富しんベヱ
一緒にお団子食べに行きましょう!
下坂部平太
日陰ぼっこも一緒にしてください…!
食満留三郎
あまりあなたの下の名前ちゃんを困らせるなよー?

少し驚いて目を見開くと、笑いが零れる
あなた
ふふ…
いいよ、全部一緒にやろう

自分が必要とされているこの感じがなんだかひどく心地よかった。

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