それから無言の太宰さんの後を一生懸命ついて行くと、見覚えのある道が見えてきた。
予想通り、太宰さんはLupinへと入るための急な階段を降りていった。
そのあとを追いかける。
俺が入ると、もう机にはお酒と林檎ジュースがのせられていた。
俺は林檎ジュースの前に座った。
拗ねてしまったのか、一向に目線を合わせようとしてくれない。
そんな気まずい沈黙を破ったのは意外にも太宰さんだった。
そういうと、太宰さんは嬉しそうににこりと笑った。
声真似が地味に上手い……
この人にできないことなんてない気がするな……
この時の俺は知らなかった……
この時の選択が大間違いだったことに____
自信満々に腕まくりした太宰さんの頭を国木田さんが思いっきり叩く。
そういうと国木田さんは太宰さんの脛を蹴り飛ばした。
太宰さんは蹴られた部分を抑えながらぴょんぴょんと跳ねる。
何だろう……
前の殺気放っちゃった件かな……
きっとそうだよな……
ご迷惑かけちゃったし……
何だか嬉しそうなのは何故だろうか……
滅茶苦茶太宰さん嫌われてるな……
それにしても……













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。