「ーー!久しぶりー!会いたかったー!」
待ち合わせ時間10分前にも関わらず、待ち合わせ場所に佇む親友の姿を見て、半年ぶりの再会に気持ちが弾む。
大きな声で叫べば、携帯画面を見つめていた顔が上がって、私を見た瞬間、慌てて恥ずかしそうにシーッと唇に指を当てる。小走りで駆け寄ってくるーーに、大きく腕を広げれば、しかたないなって笑いながらハグしてくれる。
「もう半年?そんなに経ったっけ?」
「うん、私も今日カレンダー見返してびっくりした」
隠れ家みたいなカフェが大好きなーーがまた新たに見つけたという新開拓地に連れて行ってくれた。落ち着いた静かな雰囲気のカフェでコーヒーを飲みながら、最近の溜まりに溜まった近況を話し合う。
既婚で子持ちの私と、独身で仕事をしながら趣味の海外旅行であちこち飛び回っているーー。かなり、日々の生活は違うのに、どうしてだろう、ーーと会うときはいつだって、どちらかが話し出せば話題は尽きることがなくて、高校のときから変わらないその関係がとてもとても有り難くて大好きだった。
「今回はどこ行ってきたの?」
「アフリカ」
「え!?アフリカ!?」
「あっちでワーホリしてる友達がいたから遊びに行っちゃった」
「相変わらずの行動力、尊敬する!」
「すごく楽しかったよ」
そう言ってスマホの写真をいろいろ見せてくれるーー。
大学生時代、2人でよく旅行した思い出が懐かしいな。
まだ行ったことのない土地を見ながら、子どもたちが大きくなったら、また私と旅行してくれるかな。
楽しそうになにをしたかスマホを指さしながら教えてくれるーーの顔を見て、そんな未来を夢見る。
---------------
「じゃ、また会おうね」
「うん、また次は半年後かな(笑)。でもその前に春が来るから、次の3月こそ上野公園の桜見に行こうよー」
「いいね!社会人になってから毎年行ってたけど、ここ数年は難しかったもんね。子どもたちは?」
「1日くらいなら旦那さんに任せられると思う」
「おっけ!じゃぁ、また近くなったら日程決めようね」
「うん!楽しみー!体調崩さないように気をつけて、今度彼氏も紹介してね」
「わかってる(笑)。シャイな人だから聞いてみるね」
そういったーーと最後にもう一度ハグをして、駅の改札で別れる。改札を通り抜けて、階段を登っていくーーの背中を見つめながら、ほんの少しの寂しさが胸を締め付けた。
---------------
「あなた、次、あなたの番だって」
開いた扉から一瞬顔を覗かせたのであろうクリスの声が聞こえてきて、閉じていた瞼をあげる。
ちょうどメイクパレットの蓋を閉めたヌナが
「あなた、終わったよ」
と声をかけてくれる。
そんなヌナに「ありがとうございました!」と笑顔でお礼を伝え、座っていた椅子から立ち上がる。
そのときふと鼻先を、夢の中の親友がつけていたジャスミンティーの香りが掠めた。
今までの夢ではなかなか会うまでに至らなかった新しい存在が、抱きしめた柔らかい感触、匂い、声の高さまで鮮明に蘇るほど近くに感じる。
「懐かしいな」
子どもたちに会えたときと同じだ。
胸を埋めるのは、会いたかった、その強い気持ちと、切なさと嬉しさが混在した温かさ。
2017年の俺にクリスがいるように、2025年の彼女にも大切な親友が存在することが今日は無性に嬉しかった。
目の前の鏡に映るのは、ダークな衣装に身をつつみ、しっかりと化粧を施した20歳の俺。そんな俺が夢の中では2025年、性別も年齢もなにもかもが異なる彼女の中で生きている。
この夢はいつ終わるのか、それとも最後まで俺と生き続けるのか。
ふっとこぼれた吐息に不思議そうに首を傾げるヌナに、なんでもないと軽く手を振って、控室を出る。
撮影の部屋に移れば、ブースではビニの撮影がまだ続いていて、確認のためのパソコンの横にクリスが立っている。
その隣まで歩いて肩に手を回せば、カメラに向かっていた視線がこちらを向いた。
「今日はあなたで最後みたいだよ。終わったら、残ってるメンバーで宿舎に戻ろう」
「おう。わかった。もう23時か、やべぇな」
ふと壁にかかった時計に目をやれば、今日ももう終わりに近づいている。
「あー、배고파ー!」
「ビニ、お疲れ。こんな時間だけど、帰りになにかテイクアウトしてく?」
「…俺、あなたヒョンの飯が食いたい」
最後の1枚を撮り終えて、俺たちの下にやってきたビニの開口一番がその台詞だった。
それに対するクリスの問いかけに、ちょっと遠慮がちに俺を見ながらビニは続ける。
「簡単なもんでいいんだろ」
「はい!」
そう答えれば満面に嬉しそうな笑みを浮かべるビニが可愛くて、つい頭を撫でてしまう。
「できるだけ早く終わらせるから、メイク落として着替えてろ」
「はい!」
元気よく答えたビニが控室に戻るのを見送って、クリスを振り返る。
「クリス、残ってんの、誰?」
「年下組を先に帰したから、ウジニヒョン、俺、あなた、ビニ、それにミノかな?」
「5人ならまぁ、なにかしら作れんだろ。食べたいものがあるやつはそれテイクアウトしてけばいいだろうし」
「あなたは本当にビニに甘いよね」
「あいつ、可愛いよなー。ジソンも相当手がかかってその分可愛いけど、まぁ、別種の可愛さだな」
あなただって疲れてるくせに。と苦笑しながらいうクリスに遠慮なく寄りかかりながら、ビニの笑みを思い出す。弟たちはもれなく全員とてつもなく可愛く育っている。関係も良好でこのグループは本当にそれがいい。
「お前も俺の可愛い弟だけどな」
にやっと笑いながらクリスの耳元に口を近づけて囁やけば、今日1番のため息をついたクリスが俺をぐいぐいと押しのける。
昔は勢いよく寄りかかっただけでふらついてたこいつも、日に日にガタイがよくなって、その力に、回していた腕が外れる。
「もー、あなたの番でしょ!さっさと行ってきて」
「ははっ、Okay Okay, Love you bro!」
クリスはそういうと呆れた顔を隠しもせず、シッシッと手のひらを振って俺を追い払う。
俺は頭の中で、冷蔵庫、何入っていたかなと考えながら、撮影に入った。
---------------
「🇯🇵鍋、だな」
「え?なべだな?なんですか、それ?」
撮影が無事終わって、建物から出ると、強烈な冷たい風が吹き抜ける。体をブルッと震わせたところで、口から溢れ出たのは日本語だった。
車に向かって隣を歩いていたミノが、こちらを振り返って聞き返してくる。
「正しくは『鍋』。晩飯のメニューだ」
鍋なら5人でも楽でいいな。思わず思いついたメニューだったけれど、気に入った。
「日本の、料理ですか?」
「おう。寒い日の定番だ。スープに野菜と肉をぶっこんで煮込む」
「なる、ほど?」
「ミノも食べるか?クリスとビニは食うって。ウジニヒョンは胃の調子が悪いから薬飲んで寝るってよ」
「そうなんですね。はい、いただきます。野菜切るの、手伝いますよ」
「助かるわー。でもそろそろ他の子ザルどもにも包丁の使い方を教えねぇとな」
「どっかにふっ飛ばしそうなやつもいますけど(笑)」
「周りが怪我する可能性のほうが高いからな。ジソンは調理用バサミ一択だ」
車に乗り込みながら会話を続け、隣に座ってシートベルトを閉めたミノと、にやっと笑い合う。
年上組には敬語を崩さない割にズバズバとものをいうミノとの会話はいつも軽快だ。
「あー、食ったらすぐ寝そう。ブタ一直線だな」
「あなたヒョン細いから、子ブタくらいは目指してもいいんじゃないですか」
「子ブタってお前...」
「あなた、食べてもなかなか身につかないもんね」
前の座席に座ったクリスがははっと笑いながら会話に参加してくる。
「あなたヒョンって昔からこんな体型なんですか」
「うん。出会ったのが14歳?身長はお互いに伸びたけど、細身なのは変わらないよね」
「どんだけ筋トレしてもなんかつかねぇんだよなぁ。本格的にビルドアップ目指さねぇと変わんなそう」
自分の腹を撫でながらそういえば、2人の視線がそこに向かう。
「割れてねぇぞ」
そう返せば、目を丸くした2人が吹き出す。
「知ってるよ(笑)」
「俺も知ってます、ヒョン(笑)」
「あなたヒョン、俺と一緒に体大きくしましょうよー」
「そうだな、お前となら俺、頑張れそ」
俺と同じくらい細身のビニを見て、そう答えれば、デビュー落ち着いたら始めましょうね!ときらきらとした目のビニが言う。
「いいけど、お前だけ大きくなって、俺を置いてくなよ」
「あなた、なんかそれフラグに聞こえるんだけど(笑)」
「うるせぇぞ、クリス」
大丈夫、もしそんなことになっても俺にはスンミニとジソンがいる。クリスをギロッと睨みつけながら、他にも細いひょろひょろとしたメンバーたちの顔を思い浮かべた。
「あ、そうだ、あなた。明日作業室来れる?ちょっと相談したいことあるんだけど」
「明日?何時?」
「俺とビニとジソンは午前中から夕方のダンス練習までずっと籠ってるつもりだからいつでも」
「わかった。あさイチでリクスと韓国語勉強の約束してっから、それが終わったら行くわ」
「Thanks.」
「No problem.」
今入った予定が頭からすり抜けないようにスマホのカレンダーにメモをとる。
今日と同じく、明日もぎちぎちに埋められたたくさんのスケジュールが並んでいる。
朝8時から始まっているそれに、今日はマジで食べたら即寝だなと子ブタ街道に進むことを決めた。
---------------
🐺視点
「よー、入るぞー」
作業室のドアがノック音とほぼ同時に開けられる。
「あなたヒョン、いつも思うんだけど、それノックの意味なくない?(笑)」
「あなた、いつも返事待たないよね」
「なんだぁ、クリス、お前俺に隠したいことでもあんのか」
ニヤリと笑ったあなたが、機材の前に座る俺に後ろから抱きついてくる。
何を言ってるんだか、と呆れて返事もしないでいれば、あなたはそんな俺を気にも留めず、後ろのソファに寝転ぶジソンを見つけると、俺から離れてその上に乗って潰しにかかる。
「ぎゃぁ!あなたヒョン、肘はいってる!」
「お、わりぃな」
「ヒョン、そのままもうちょいぐいグイッと」
ぎゃあぎゃあ叫び続けるジソンに対して、あなたはけらけらと笑いながらそれでも上からどかない。さらにジソンが寝転がっている横に座っていたチャンビナが、からかうように後押しをかける。
「で、相談って?」
バシバシとあなたを叩くジソンの手を押さえつけながら、あなたはそのまま上に重なるように寝そべり、その頭をジソンの顔の横に埋めた。下敷きにされたジソンはその両腕をあなたの腰に回して、落ちないようにぎゅっと支えている。
「ああ、そうだった。今回のデビューアルバムなんだけど、1曲追加しようと思ってて...今流すから、Can you give me your honest opinion about it?」
あなたは何も答えなかったけれど、俺は音源を再生し始める。
「어때??」
「いやー、お前らスリラチャはマジでいい音楽しか作んねぇよなー。これ、もう入れるの、決めてんだろ?」
「バレました?(笑)」
「控えめに言って、🇯🇵最高」
「え?あなたヒョン、さいこーってどういう意味?」
俺が聞けば、今度はあなたが呆れたように返し、チャンビナがペロッと舌を出す。続いたあなたの日本語の賞賛に、ジソンが首を傾げた。
「俺も入れるのに一票。お前らはこれ、同年代に向けて書いたんだろうけど、間違いなく広い世代の心に刺さると思うぜ。特に赤ちゃん育ててる母親世代はやばいかもなー......」
ジソンの顔の横から少し自分の顔を上げたあなたが、ふわっと微笑む。
その笑みが、なにか特別なものを思い出しているかのようにとても優しくて、視線が外せなくなる。
「あなたヒョン、間違いなく、まだ20歳、独身っすよね?」
「ヒョン、隠し子でもいるの?」
そんなあなたを見たチャンビニとジソンが、片方は怪しむように、片方はぎょっとして問いかける。そんな弟たちの頭を、にっこりと笑ったあなたが無言で一発ずつはたいた。
「すみません。冗談です。でも、あなたヒョン、そんな風にお母さんたち世代の気持ちが考えられるって、オモニと仲いいんすね」
叩かれた頭をさすりながら、チャンビンが軽い口調でそう言った瞬間、
瞬きする間もなく一瞬で、
あなたの顔から全ての表情が、
ザッと削ぎ落ちた...。
後に残ったのは、まるで剥製の人形をみているかのような真っ青な顔だけで、何気なく口にしたのであろうチャンビンが、ハッと自分の口を押さえる。
あなたのお母さんって…。
俺らが出会ったとき、宿舎の部屋で、
「親との折り合いが悪くて韓国に逃げて来た」
とあなたは言っていた。
それから7年、デビューが決まったサバイバルの控室にさえ、あなたの両親の姿はなかった。
「あー、ビニ、気にすんな。なんも悪いことは言ってねぇぞ」
チャンビンの反応にすぐに気づいたあなたが、しっかりとその視線を合わせながら、フォローを入れる。
ふぅ、とため息をつきながら、ジソンの上から身体を起こしたあなたはソファに座り直す。しばらく眉間に皺を寄せて考え込んだ後、ゆっくりと口を開いた。
「クリスは知っているだろうけどよ、俺、両親とは上手くいってねぇんだ。戸籍上の縁は切ってねぇけど、日本出るとき、迷惑をかけない、家には戻らない、なにがあっても連絡をとらない、その約束の代わりに手切れ金もらったのが最後」
「それってほぼ…」
「まぁ、絶縁してるのと同じだよな。お前らにとっては楽しくねぇ話だけど、正直家にいるほうがつらかったからな。13歳の身じゃできることなんて限られてっから、韓国に来れたのは幸いだったよ」
「サバイバルのファイナルのとき、ヒョンのご両親がいなかったのって」
「おう。そんな約束してるからな、あっちからは絶対に来ないだろ。来られても困るんだが」
あなたはご両親の話を本当に坦々と語る。
悲しいとか、悔しいとか、そんな感情はゴソッと抜け落ちていて、まるで他人の話をしているかのように聞こえる。
「あなた、なんで、なんでご両親とそんな関係なのかって、聞いても、大丈夫?」
俺が、慎重にそう聞けば、あなたの視線がこちらに向く。その瞳は一切揺らぐことなく、静かに俺を見つめ返していた。
「えぇ?聞きてぇの?マジで楽しくねぇぞ」
「いや、楽しさは求めてないし....、あなたが嫌だったら話さなくて全然いいんだけど......」
少しおどけたようなあなたに、その本心がいまいち掴めなくて、正直に気持ちを伝える。
あなたは一瞬宙を見上げた後、またまっすぐに俺の目を見た。
「いや、俺お前に話せないこと、なんもないけど」
さらっとそう言ったあなたに、ぎょっとしたのは弟たち2人で、言われた俺自身もどきっと心臓が跳ねた。
この7年で、俺たちの間にある絆が、もう切ろうとしても切れないぐらい強くなっている自覚は十分にあったけど、やっぱりあなたの口からこうして直接言われると、築き上げた確かな友情に喜びが胸に広がる。
「お前らも聞きてぇの?」
あなたが、いつのまにか両脇にピタッとくっついて座っているチャンビンとジソンに問いかければ、2人も真剣な顔で頷く。
「まぁ、ドラマなんかでよくある話だよ。
俺、親父とは血がつながってるけど、母親とは血が繋がってないの。
血が繋がった母親は別にいて、まぁ、クズ親父の浮気で生まれたわけだな。
10歳までは血の繋がった母親と暮らしてて、そこから親父のほうに引き取られたんだよ。
常識的に考えてみても上手くわけねぇだろ?
10年俺に興味なかった父親と、浮気相手のこどもが家に来た母親だぞ。
まぁ、でも13歳までの3年間は金に困ることもなく衣食住は与えてくれてたから、恵まれてたよな」
ふっと笑って言うあなたに、俺たち3人は唖然としてしまう。
これまで、あなたの両親のことは気になりながらも、最初の発言で聞いてはいけないことだと思って、触れないできた。
あなた自身もあの日以来一切ご両親の話をしないから、話す機会もなくて、いつの間にか ”話さない” ことが当たり前になっていた。
「壮絶っすね」
「んー、そうだな。居心地が悪すぎて家出たかったけど、親父側に移ったあとは生活だけは安定してたからなー。ま、あの日ヒョヌヒョンが見つけてくれたのは奇跡だな」
「あなたヒョン、路上スカウトだったんだよね?」
「おう。最初はやべぇやつかなって思ったけど、日本出れるって聞いて飛びついたな」
「あなた、兄弟とかはいないの?」
「ん、本当の母親のほうには俺だけ、義理の母親のほうには子供がいない」
「そうなんだ...」
「えっと、日本出るとき、あなたヒョンの、本当のオモニ、は大丈夫だったんすか?」
再び飛び出たチャンビニの問いに、あなたの表情が固まる。
その瞳が一瞬左右に揺れ、そこで初めて俺らから顔を背けた。
「……あー、わりぃ、前言撤回。あの人のことは、ちょっと、今はまだ、話したくねぇな」
纏まりなくポツポツと落ちるその声は、酷く歯切れが悪く、さきほどまで父親と義理の母親の話をしていた無関心なあなたとは全く違っていた。
「ま、ともかく、俺はこの一曲をアルバムに入れるのは賛成だぜ」
ふっと顔を戻したあなたは、さきほどまでの雰囲気を一新するかのように柔らかく笑っていた。
「ヘビーな話して、悪かったな。あんま気にすんなよ」
あなたはそういうと俺たち1人1人の頭をぐしゃっと撫でると、またあとでな、と言って作業室を出ていった。
パタン。
静かに閉まった扉を、無言で見つめてしまう。
「チャニヒョン、俺、まずかったっすよね」
「いや、大丈夫だと思うよ。本当に答えたくないからああいっただけで、別にビニが質問したことにどうこう思ってはいないと思うよ」
頭をガシガシと搔きながらちらりとこちらを見るビニ。
その目にははっきりと後悔の念が見えていた。
そんなビニに俺はできるだけいつもどおりの声のトーンになるように気をつけながら答えた。
おそらく、俺の考えは間違っていないはずだから。
「あなたヒョン、みんなが話してる時も全然家族の話しないなって思ってたけど…」
ジソンもジソンであなたが出ていった扉から目を離さない。
「難しいと思うけど、あなたが言ったように、聞いたことは聞いたことで、あまり気にしないのが一番だと思う。ジソンもビニもあなたとは知り合ってから3年ぐらい経つでしょ?その3年がすべてなんじゃない?」
「ま、そっすね」
「うん…」
あなたがしたように、俺も2人の髪をぐしゃっとかき混ぜて、「さ、作業に戻ろう」と一声かけた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。