第24話

No.23
748
2024/06/27 12:01


ラン
 やめてぇぇぇっっ !!!! 
 
    ド ォ ン ッ ッ  ド ォ ン ッ ッ ! ! 

ナツ
 あっはっはっ !! 
イルマ
 ガンバー 。 笑 

ナツがランの能力を真似て 、 ランに攻撃している 。
ランの能力の〚 桜乱舞 〛は追跡能力もある 。
そのため 、 ナツが桜の花びらを出してはランを追跡し 、 何かにぶつかるまで追い回す 。
それをイルマは止めずに楽しんでいる 。
まるで 、 ランが二人に遊ばれているようだ 。

ラン
 こんのっ !! 

ランも隙を見つけて反撃する 。
しかしそれは 、 ナツには無効化 、 イルマには簡単に弾き返されてしまう 。

ラン
 いじめだぁ … 、、、 

弱々しい声で呟いた 。

ナツ
 … そろそろいいか 。 
イルマ
 もう終わんの ? 

終わろうとするナツにイルマが尋ねる 。
随分鬼のような事を言うイルマ 。
ランとナツは「鬼だな。」と感じた 。

ラン
 俺のこと殺す気 ??? 
イルマ
 殺さない程度に 。 
ナツ
 マジで鬼だな 。 
 
ランが高台に登った 。
自分の周りに沢山の花びらを生み出す 。

ラン
 いけぇっ !!!! 

戦場フィールドの半分を覆うほどの桜の花びらが二人に向かう 。

ナツ
 〝 消えろ 〟 。 
 
ラン
 へ 、 
イルマ
 わ 。 

その一言で 、 嘘みたいに桜が消えた 。
ミコトの〚 呪言 〛を真似たのだ 。

ナツ
 さ 、 どうする ? 
ナツ
 ラ〜ン君 ? 

ランを煽る言い方で言う 。
イルマも横でニヤニヤしてランを見ている 。
ランが両手を強く握りしめた 。

ラン
 … 今此処で使いたくなかったけど … 
ラン
 もういい !! 

ランの体から一気に魔力が溢れ出した 。
それに二人が反応する 。
何を見せてくれるのかと 。
二人の顔は笑っていた 。

イルマ
 手の内晒していいのか ? 
ラン
 もういいの !! 
ラン
 二人に勝たないと気がすまない !!!! 

ランの気配が変わる 。
目を閉じ 、 ゆっくり開いた 。
そのランはまるで 、

ラン
  〔 千本桜・げん 〕 。 

別人みたいに 。

        ホ ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … 

ナツ
 っ ! 
イルマ
 なんだ 、 これ … 。 
 
大量の桜が二人を包んだ 。
本物なのか 、 幻なのか 。
二人の視界が 、 桜によって遮られた 。
どこを見渡しても目の前にあるのは桜 。
魔力を帯びているのか 、 全方向から魔力が感じ取れる 。
 
ラン
 … 。 
 
ランが桜に溶け込む 。
気配も消しているため 、 ランを見つけ出すのは厳しい 。
ナツも 、 "自分を対象とした攻撃"ではないため 、 〚 能力無効 〛の能力を発揮できない 。

ナツ
 だったら ! 

〚 呪言 〛でこの桜を消してやろう 。
そのとき 。
 
ラン
 隙あり 。 
ナツ
 !! 

     ド ォ ォ ォ ォ ォ ン ッ ッ ! ! !

思いっきりナツを殴り飛ばし 、 壁に激突させた 。
煙が晴れると 、 その壁に力なく寄りかかっているのが見えた 。

ラン
 一人 。 

イルマ
 チッ 、 早めにやっときゃよかったわ 。 
 
気配を消すことはイルマも簡単なことだった 。
上手く桜に溶け込み 、 ここから出ようとしていたところだ 。

イルマ
  〔 時間停止 〕  。 

           パ チ ン ッ

イルマ
 さっさとこっから … 、 

イルマ
 って 、 

動こうとしても何かに掴まれているように動かなかった 。
後ろをみれば 、 原因はすぐに分かった 。

イルマ
 なっ 、 

ランが真顔で 、 イルマの腕を掴んでいたのだ 。
気配は消せても 、 こちらからランの気配が分かるわけではなかった 。
だから気づかなかった 。
気付けなかった 。

イルマ
 … はぁ … 、 

イルマは自分の負けを確信した 。
恐らく 、 能力を解けばすぐに拳か蹴りが飛んでくるのだろう 。
油断していた 。
自分の失態だ 。

           パ チ ン ッ
 
        ド ォ ォ ン ッ ッ ! ! ! 

イルマが予想していた通り 、 左脇腹に蹴りが飛んできた 。
その威力は尋常じゃなかった 。
気を抜けば 、 大人でも意識を持っていかれるほどの 。
周りの生徒は 、 そのランの行動を呆然と見ていた 。

ラン
 … 。 
ラン
 やったーー !!! 

勝ったことが分れば 、 人格が変わったかのように無邪気に喜んだ 。
この行動にも驚かされる 。
すると 、 ハッと思い出したかのように振り返った 。

ラン
 イルマとナツ !! 
ラン
 ヤバい … 、 大丈夫かなぁ !?? 

アワアワと二人を交互に見ていると 、 二人がよろっと立ち上がったのが見えた 。
ナツは起きるなり 、 すぐ自分の傷を癒した 。
イルマはそれを 、 半目でジッと見ていた 。

ナツ
 はー 、 死ぬかと思った 。 
イルマ
 俺にもやれ 、 俺にも 。 

そんな二人のやり取りを見て 、 良かったと胸を撫で下ろす 。
すると 、 見ていた三人が駆け寄ってきた 。

コサメ
 凄いねランくん !! 
コサメ
 あの二人に勝っちゃったっ !! 
スチ
 すごかったね … 、 
 そんな実力隠してたの ? 
ミコト
 らんらんすごいよ !! 
ミコト
 何今の技っ !!✨ 

ラン
 えっとねぇ 、 

ランが説明をする 。
〔 千本桜・幻 〕とは 、 幻の 、 魔力を纏った桜を大量に出す技 。
目眩ましや 、 自身の気配を消すために使われることが多い 。
他にも 、 攻撃できるものもあるという 。
 
ナツ
 じゃ 、 今度真似しちゃおー 。 
 
後ろから聞いていたナツとイルマがヒョコっと頭を出す 。

ラン
 あー ! 
ラン
 ズルだー !! 
イルマ
 だから手の内晒していいのかって 
 言ったのに … 。 

スチ
 攻撃できるのは見ないと
 わからないんじゃないの ? 笑 
ナツ
 なぜ分かる … !? 
スチ
 家にそういう本が置いてあるからね 。 
コサメ
 流石優等生様 。 
 
話をしている六人に 、 先生が近づく 。

先生
 凄いものを見せてもらった 。 
先生
 流石だな 、 特進クラス 。 

ラン
 ありがとうございます ! 
イルマ
 時間になるんで 、 帰っていいすか ? 
先生
 あぁ 、 少し休憩してろ 。 
コサメ
 ありがとうございま〜す !! 

六人は 、 自分たちの寮に戻っていった 。
先程の戦闘を振り返りながら 。
そんな後ろ姿を 、 生徒たちはじっと見ていた 。

またさらに 、 その六人が好きになる生徒が増えた瞬間だった 。
 


 



 
みぃ
みぃ
 今日めっちゃながぁい 
 

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