第3話

興味ない
7
2026/01/06 00:24 更新
英智から預かった『神桜 瑠衣かみざくら るい』という名前が、ずっと離れない


私はあの日から、リズリンの練習室やガーデンテラスを歩き回り


彼を探し続けていた




(なまえ)
あなた
瑠衣⋯くん


中庭の大きな木の下


木漏れ日を浴びて、彼はてもとで手際よくタロットをシャッフルしていた


勇気を出して名前を呼んだ瞬間、彼の指先がピタリと止まる




ペルソナ
ペルソナ
⋯その名前、嫌い。呼ばないで



彼は顔を上げることなく、冷たい静かな声で私を拒絶した


プロデューサーとして話がしたい、君を輝かせたい


用意していた言葉を投げかけようとしたけれど


彼は立ち上がり、一度も私と目を合わせないまま歩き出す




(なまえ)
あなた
待って!私はあなたのことを―――
ペルソナ
ペルソナ
⋯興味ない。
⋯君も僕に構わないで。僕はただのペルソナだから





声をかける隙すら与えず、彼は幽霊のようにふらりと姿を消した


あとに残されたのは、彼が座っていたベンチの冷たさと


微かに漂うバニラの甘い匂いだけ



(なまえ)
あなた
(どうすれば彼に届くのだろうか⋯)


立ち尽くす私の背後に、長い影が落ちた

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