第5話

3話
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2021/01/18 10:00
シエルside
路地裏に入ったら突然刺客に襲われた
かなりの手練のようだ
あの・・セバスチャンと互角にやりあっている
この路地の形を活かして攻撃してくる
技術自体はセバスチャンに劣るが
相手の方が地の利がある
この狭い路地では自由に動くことはかなり難しい
セバスチャン
ぐっ……
シエル・ファントムハイヴ
セバスチャン?!
かなり……ヤバい
セバスチャンがもう倒れる寸前だ
これまでか…
と思い、銃を出す
すると、
あなた
……よいしょっ!
刺客の背後にいつの間にか少年がいた
金髪の小さな男の子を抱えて
刺客の頭を叩き割ったのは手刀だった
あなた
こんにちは お坊ちゃん
いいとこのガキがこんなとこにいたら危ないよぉ
しかも伯爵ともあろうお方が…
すぐに殺されんぞw
見たことの無い奴だ
かなり怪しいし、僕が伯爵であることを知っていた
セバスチャンが身構えると
少年は慌てて自己紹介をはじめた
あなた
おっと!そんなに身構えないでくれよ
俺はあなたこっちは弟のラファ
溝鼠は噂が好きなんだ
若い燕を連れた、碧色のお坊ちゃん しかも眼帯までした奴なんてアンタしかいないだろ
シエル・ファントムハイヴ伯爵?
セバスチャン
……どうしますか?坊ちゃん
どうするか…
かなり悩ましい
これほど腕が経つ人間はなかなかいない
殺してしまうよりこっち側につけた方が賢明な判断に思えた
シエル・ファントムハイヴ
まだ・・始末しなくていい
…おい…お前 僕の屋敷で働くか今ここで弟諸共殺されるか、どっちがいい?
こいつは確実に前者を選ぶ
弟を大切に思っているようだから
先刻、攻撃を仕掛けた時も弟に被害が及ばないように庇っていた
あなた
じゃあ前者だな
あんたの屋敷で働いてやるよ
でも弟はまだ家事ができる年じゃねぇ
働けんのは俺だけだ
それでもいいか?
シエル・ファントムハイヴ
構わない 使用人として屋敷で働け
あなた
おっしゃ!決定
そうと決まったら行きますか
働くことには案外乗り気のようだった
セバスチャン
屋敷に帰る前に服の採寸を済ませてしまった方がよろしいのではないでしょうか
あなた
……あー ラファの分だけでいいや 俺いらない
セバスチャン
ですが…
あなた
適当に買って適当に着ればいいって
オーダーメイドとか、俺には合わねぇもん
頑なに拒む
理由は分からないが、嫌ならそれでもいい
弟の分の採寸を済ませ、服を受け取り
僕達は新しい使用人を連れて帰ることになった

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