長い階段を駆け登る
乱れた息も、今にももつれてしまいそうな足
も、
今日だけは、その先にある景色を見ようと走る俺の味方だ
タン、と軽やかなリズムを奏で地面を蹴った右足、
左足は、鳥井の中への着地に使った。
絆神社、
俺達の住む絆村は、少し特殊で、
死んだ者の魂は絆神社へと送られるらしい。
そんな不思議な神社、
でも、良いこともある
年に一度の、絆神社で行う祭り
木に薄く燃える火の灯ったランタンをつるして、
流れる音楽に合わせて踊ったり、
並ぶ屋台で腹一杯食ったり、
…亡くなった人達の魂と共に楽しむ、それがここの祭り。
なんで、?
そんなの決まってる、
だって…
にか、と笑って見せる
絆 雨栗
俺の唯一の友達
優しくて、面倒見が良くて、
お祭りの夜は決まって、神社の裏で雨栗と遊ぶ。
それも、少し特殊な遊びだ
まぁ、今はまだ昼だけど
俺は雨栗の手を引き、広い場所へと走った
後から後悔することなんて知らずに












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。