私と沙友理と麻衣は飛鳥に駆け寄る
飛鳥…
どうしてあんなことしたの?
飛鳥は俯いたまま何も答えない
飛鳥、奈々未と2人で話したいんやない?
そうかもだね、私たちも先行くね
ごめん、ありがとう。
飛鳥、今2人だけだから、どうしてか教えて?
どうしてあんな事になったの??
お姉ちゃんが、、
私が??
私と同じ様な目に合うのはどうしても嫌だったから…
どんな目に合うと思ったの??
飛鳥は黙って何も言わない
もしかして、飛鳥が学校で何かされたことって事??
うん…
何をされたの??ゆっくりでいいから聞かせて??
クラスの人が
うん
私が棘を出すのを面白がって
うん
わざと棘を出す様に私の感情を高ぶらせて
うんうん
棘が出たら、それをビデオに撮るの
だから
だから、あの子がそういう
目的で撮ってるって思ってお姉ちゃんにはそんな目にあってほしくないからって
それで
それで
私は咄嗟に飛鳥を抱きしめた
私を守ってくれたんだね。ありがとう。
話してくれてありがとうね。もう大丈夫だから。
何も心配しなくていいよ。
ごめんなさい。
傷つけようなんて思ってもなかったのに。
いいの、いいの。、いいのよ。飛鳥
私たちの体に雨水が落ちる
雨水はだんだんと強くなっていった
大きな木の下に雨宿りをしようとすると
そこには微妙な距離感の棘人と人間がいた
さっきの事があったからか誰も何も話してない
七瀬さんは1人で本を読んでいた
私はそのページに絆創膏を落とした
え??
傷つけてごめんなさい。
ごめんなさい!
全然大丈夫だよ。ありがとう。
私も、勝手に撮ってごめんなさい。
私こそ何も知らずに怒ってごめんなさい。
その本、
ん??
私も好きなんだ
え?
ほら、これ。
同じなのに本の色が違うんだね。
ねえ、この本交換しようよ。
いいよ。
私たちは本を交換した
お互い微笑みながら本を渡す
大事に大事に本を抱える
その様子を周りのみんながじっとみていた
みんなに少し笑顔が戻った
私たちの距離が少し縮まった気がした
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編集部コメント
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