第31話

続き
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2026/03/12 00:23 更新
カフェで閑也がバイトし始めてから、数週間。

最初はぎこちなかった閑也も、少しずつバイトに慣れてきた。

カウンターの中。
如恵留
はい、カフェラテできたよ
閑也
ありがとうございます
如恵留
じゃあそれ三番テーブルね
閑也
了解です
閑也はトレーを持って歩き出す。
如恵留
最初より全然スムーズだな
しばらくして戻ってきた閑也。
閑也
先輩
如恵留
ん?
閑也
俺、さっきミルクの泡上手くできました
如恵留
ほんと?
閑也
はい!
如恵留
ちょっと見せて
閑也はもう一度ラテを作る。

ミルクを注ぐ。

ふわっと綺麗な泡ができた。
如恵留
おー!
閑也
どうですか?
如恵留
めっちゃ上手いじゃん
閑也
ほんとですか!?
如恵留
うん、最初の頃と別人
閑也
それは言い過ぎです
如恵留
いやほんと
如恵留は嬉しそうに笑った。
閑也side
先輩に褒められると…なんか嬉しい
その日の休憩時間。

店の裏口の階段に並んで座る二人り

如恵留はコーヒー、閑也はカフェオレを飲んでいる。
閑也
先輩って大学何年ですか?
如恵留
2年
閑也
やっぱり
如恵留
やっぱり?
閑也
なんか余裕あるなって
如恵留
そんなことないよ
閑也
ありますよ
如恵留
閑也くんは1年だよね?
閑也
はい
如恵留
大学どう?
閑也
まだ慣れてないです
如恵留
だよね
閑也
でも
如恵留
うん
閑也
このバイトは楽しいです
如恵留
ほんと?
閑也
はい
少しの間。
閑也
先輩いるし
如恵留
またそれ?
閑也
あ、いや…その…
如恵留
ふふ
閑也
笑わないでください!
如恵留
ごめんごめん
閑也
本音ですから
如恵留は少しだけ照れた。
閉店後。

店の片付けをしながら。
閑也
先輩
如恵留
んー?
閑也
このグラスどこでしたっけ?
如恵留
上の棚
閑也
届かない…
如恵留
貸して
如恵留はひょいっと取って置く。
閑也
ありがとうございます
如恵留
閑也くん背高いのにね
閑也
棚が高いんですよ
如恵留
それ俺も思う
二人で笑う。
帰り道。

たまたま駅までの道が同じだった。
閑也
あれ、先輩こっちなんですか
如恵留
うん
閑也
俺もです
如恵留
じゃあ一緒に帰ろうか
閑也
いいんですか
如恵留
もちろん
夜の道を並んで歩く。
少し静かな空気。
閑也
…先輩
如恵留
ん?
閑也
俺、最初めちゃくちゃ緊張してたんです
如恵留
そうだったね
閑也
正直、バイトやめようかなって思ってました
如恵留
え!?
閑也
でも
如恵留
でも?
閑也
先輩が優しかったから
如恵留
……
閑也
だから続けようって思えました
如恵留は少し驚いた顔をした。
如恵留
そんな大げさな
閑也
大げさじゃないです
如恵留
…そっか
少し照れたように笑う。
如恵留
でも俺さ
閑也
はい
如恵留
閑也くん入ってきてくれて嬉しいよ
閑也
ほんとですか?
如恵留
うん
閑也
なんでですか?
如恵留
なんか…一緒にバイトしやすい
閑也
それめっちゃ嬉しいです
如恵留
ほんと?
閑也
はい
少し沈黙。
駅が見えてきた。
閑也
…先輩
如恵留
ん?
閑也
俺、もっと仕事覚えます
如恵留
うん
閑也
先輩に追いつけるくらい
如恵留
それは無理かな
閑也
なんでですか!
如恵留
だって俺先輩だもん
閑也
ずるい
二人で笑った。
その帰り道から。

二人は、よく一緒に帰るようになった。

バイトの話。
大学の話。
くだらない話。

気づけば、自然に隣にいる存在になっていた。

まだ恋とは呼ばないけれど。

でも。

如恵留は思う。
閑也くんといると落ち着くな

閑也も思う。
もっと先輩と一緒にいたい。

2人の距離は、
少しずつ、確実に近づいていった。

まだ誰も気づかないくらい、
ゆっくりと。

恋になる、少し手前で。

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