12時58分32秒
『12時58分、後1分半ぐらいか…』
12時59分55秒
『あと5秒…無理、かな』
4秒
3秒
2秒
1秒
『ま、そりゃ試合の真っ最中だし((』
ウィーン
千「ハァッハァ…ンハァ…戻…ったぞ…」
『……少し寝て』
千「ん…そうする」
10分後
『平気…?』
千「あぁ…」
『ごめん、無茶振り言った…』
『絶対…戻って来ないと思って…』
千「フー…まぁ何となく知りたかったから」
『え、でも無理しすぎじゃない?』
『25分で戻って来たよね?』
千「全部俺が俊足を使ってゴール決めて来た」
『うん。頑張ったね?』
千「何で疑問形?」
『……それで、知りたいんだろ』
千「うん、スルースキルヤバいな」
『でしょ←』
千「うん←」
『で、理由知りたいんだっけ?』
千「そうそう」
『恥ずかしいんだけど……その…』
千「なんだ?」
『俺、言葉じゃ…伝えれないから……』
『花だったら渡すだけだし、潔は花言葉知らないから…いいかなって』
千「ほぅ…成程な。」
『もし、調べようとしてもスマホはないから…』
千「確かに」
千「でも俺には意味、言ってくれてもいいだろ?」
『………ん、まぁ別にいいけど…』
千「じゃあ”オキザリス”の花言葉は?」
『えと……”喜び”…(恥』
千「あぁ~…潔と会えた”喜び”、ってこと?」
『コク』
千「お前、可愛い事考えるな」
『か、可愛いって言うな!//』
千「ごめんって(笑……なぁその花ってどうやってここに持ってきたんだ?」
『あ、えっと…もともと育ててた花をここに持って来て育ててるだけ』
千「潔のために?」
『え!…あ、ぅん…そう、だね…(恥』
千「彼氏思いなんだな」
『俺が彼氏だけどな』
千「…うん」
『千切、これやる』
千「何だこれ?」
『アゲラタム』
千「あげら…たむ?」
『うん』
千「どういう意味?」
『 ”信頼 ”』
千「成程。俺を”信頼”してるってことか」
『そういうこと。がっかりさせないでね?』
千「分かってるって」
千「じゃあ花を渡すとき俺に花言葉教えてくれよ!」
『えっ毎回?』
千「そ、毎回」
『面倒臭いね』
千「そんなこと言うなよ」
『まぁいいよ。千切は口堅そうだし』
千「サンキュー!」
『千切、今日は来てくれて有難う』
千「おう!」
『じゃあね(手振』
「じゃあな(手振」
ウィーン
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。