第69話

赤面のシンデレラ
83
2024/07/02 10:27
まあ、本番なんですぐにやってくる。そういうもの、だけど、なんか思ってたより早く本番は来てしまった。
あなた
今日がもう本番とか、時空歪んでる気がする……
春澤 早織
おっ!あなたの下の名前も年取ったねえー!笑
あなた
ちょっと早織、何言ってんの!私はピチピチのJKよ!
軽く早織の頭を叩く。
春澤 早織
ちょっとー!この巻き髪苦労したんだよー?
モブ
ヘアアレンジも私に任せなさい!
あなた
あ、○○さん、髪ハーフアップにしてくれてありがとね!
モブ
いやいや、あなたの下の名前ちゃんにはハーフアップに大きめのリボンとか似合うかなーって思ってつけてみただけだから!
あなた
そのセンスが凄いよ……
モブ
それほどでも〜…
モブ
それにしてもこのあなたの下の名前ちゃん。最初の頃のシンデレラのちょっとボロい格好のはずなのになんか、可愛いオーラがすごいね…
あなた
そうかな〜えへへ
モブ
ほーら可愛いいい
春澤 早織
これは世界の常識です。
あなた
何言ってんの。準備しないとだよ。ほら!
春澤 早織
うん!がんばろー!
あなた
うん!
モブ
それじゃ、もう少しで開演時間だからそろそろ行こっか。
モブ
じゃあその前に、クラスのみんなで円陣組みましょー!
モブ
えー、今回の文化祭のために色々なものを買ってお金が飛び、全員で練習してより良いものにしていきました!
モブ
最高の舞台にしましょー!
全員
おおおーーっ!
午前中に私たちは劇をトップバッターでやることになっていて午前中に二回、次の日の文化祭は何も無い。
アナウンス
それでは、1年3組「シンデレラ」です。
ブザーがなって幕が開く。
あなた
「はあ、これも片付けたあとはあっちの掃除かあ……」
アナウンス
お城の狭い屋根裏部屋の中、ため息をついているのは「シンデレラ」という少女です。お嬢様だったシンデレラですが、継母と義姉達がやってきた後にお父さんは死んでしまい、今はシンデレラと継母、義姉の4人で暮らしています。
クラスメイト
「シンデレラ!早くこの部屋を片付けなさい!その後は廊下と階段。あと庭も綺麗にしなさい!」
あなた
「はい、お母さま…」
春澤 早織
「あーら。ここの汚れが残っているわ。やり直しよ!」
あなた
「はい…エリお姉様」
モブ2
「ちゃんと仕事もできないなら屋根裏部屋からも追い出すわよ!とっとと仕事しなさい!」
あなた
「ごめんなさい、サリお姉様」
アナウンス
このようにシンデレラは酷い扱いを受けていました、そんなある日。
モブ3
「郵便でーす!王家からの舞踏会への招待状ですー!」
クラスメイト
「あら、中身を見て見ましょ」
春澤 早織
「!早く早く!お母様!見せて!」
モブ2
「私もいきたーい!」
クラスメイト
「お前ら、少しお待ち。なんだって?『今夜8時から城で誰でも自由参加の舞踏会を開きます。そして国中の女子の中から王子の婚約者を決めます』……」
春澤 早織
「お母さま!これはチャンスよ!」
クラスメイト
「あぁ、そうだねえ今日は着飾ろうか。」
あなた
「あの!お母さま!私も行きたいです!」
クラスメイト
「はあ?何を言っているんだい?お前は留守番だよ!ほら、これでも拾ってな!1粒でも集め忘れたんなら舞踏会になんて行けないからね!」
アナウンス
そう言って継母は近くにあったパールのネックレスを引きちぎってパールをばら撒きました。
そして時間はすぎ、あっという間に夜になりました。
クラスメイト
「ほら!お前たち!馬車にお乗り、行くよ!」
春澤 早織
「キャーっ!楽しみだわあ」
モブ2
「アンタはそこでずっと座ってたら?じゃあね笑」
アナウンス
馬車は勢いよく出発していきました。
あなた
「うぅ…酷いわ……」
モブ1
「おや?そこのお嬢さん。お困りのようだねえ」
あなた
「?貴方はだれ?」
モブ1
「私は魔法使いだよ。君に魔法をかけにきたんだ。」
モブ1
「ちょっとたってご覧?」
あなた
「は、はい。」
モブ1
「せーの!ビビデバビデブー!」
一気に舞台の上は暗くなった。ここが練習の成果を発揮する場所だ。私はダッシュで走り髪の毛の三角巾を外してリボンをつけたりドレスを来たりして、練習通りの25秒で戻ってきた
舞台がまた明るくなる。
あなた
「!これは……」
モブ1
「私の魔法で作ったドレスだよ。あれ?靴が無いようだねえ、それならば、ビビデバビデブー!」
確定で魔法では無い。私の体力パワーだ。
あなた
「!まあ、なんて素敵な靴なの!」
モブ1
「このドレスは魔法で作ったものだからねえ。12時までしかドレスは着れないよ。12時を過ぎたらドレスは消えてしまう。だから12時を超えるまでに帰ってくるんだよ?」
あなた
「はい!わかりました!」
モブ1
「馬車も用意しないとだねえ、ビビデバビデブー!」
あなた
「凄いわ…とっても豪華で素敵…」
あなた
「魔法使いさん。貴方はなんでこんなにも私に魔法をかけてくださるの?」
モブ1
「それはねえお前さんがこれまで頑張って来たからだよ。きっと王子はお前のような人を好むだろう。」
あなた
「ありがとうございます!魔法使いさん!」
モブ1
「楽しんでおいで」
アナウンス
城では舞踏会が始まっています。
モブ4
「キャーっ!あの人が王子様?かっこいいわあ…」
モブ3
「こんな人の妃になれる人はよっぽどすごい人なのでしょうね……」
灰羽リエーフ
「はあ、どこかに素敵な女性はいないものか…」
灰羽リエーフ
「エリック。俺と趣味の合うような素敵な人はいるか?」
モブ5
「それを今夜見つけ出すのでしょう。執事の私には見当もつきません。王子しっかりしてください。素敵だと思った方にはどんどん声をかけていくのです。」
灰羽リエーフ
「そうは言ってもなあ…」
春澤 早織
「王子様ァ…私と一緒に踊りませんか?」
モブ2
「いえいえ、わたくしと…」
灰羽リエーフ
「えっ!?あぁいや、俺は他に踊る人がいるんだ、」
春澤 早織
「…そうなんですのね。ちなみにその方はどなたで?」
灰羽リエーフ
「えっと…」
アナウンス
この2人から逃げ出したかった王子は会場の入口付近にいて注目を集めていたシンデレラの手を掴みました。
灰羽リエーフ
「私はこのお方と踊るんだ。」
あなた
「え?お、王子様?」
モブ2
「っ…そうなんですね」
灰羽リエーフ
「急に手を引いてしまって申し訳ない。しかし美しいと思ったのは思ったのは本当だ。私と1曲踊ってくれませんか?」
あなた
「こんな私で良ければ…」
曲が流れ出す。この劇の目玉のダンスシーンだ。
あなた
(右、左、後ろ、左、右、一回転)
灰羽リエーフ
(ち、近い…)
右へ左へ、後ろへ前へ。色んな方向へ動いていく。リエーフのエスコートと動きを合わせてこそのダンスだ。
あなた
(ここで一回転してリエーフに支えてもらいながら私は後ろの方へ倒れるっ、)
……ダンスシーンは終わった。その後も軽くダンスしたりする場面はあったが、まあ簡単だった。
リーンドーンガーンゴーンと鐘の音(効果音)がなる。
あなた
「もう12時なの?急いで帰らなきゃ!」
私(シンデレラ)は走り出す。ホントにシンデレラになったみたい。
灰羽リエーフ
「ま、待って!せめて貴方のお名前を!」
あなた
「…私の名前はシンデレラです。さようなら。」
しかし、階段のセットのところで靴が脱げたフリをする。私は本当に靴を脱ぎ捨てて裸足で舞台の上を走ったのだ。
あなた
「っ!ドレスも馬車も全部消えてしまったわ…」
あなた
「お母様とお姉様が帰ってくる前に私も帰らないと!」
場面は変わる。
アナウンス
舞踏会は終わり、シンデレラはいつもの継母と義姉からの嫌がらせを受ける日々に戻りました。しかし、街では王子がシンデレラを探すために街中の娘のいる家を訪ねてシンデレラの落とした靴にピッタリ合う人物を探しているのでした。
クラスメイト
「シンデレラ!ここに埃が残っているよ!お前は何をしていたんだ!」
あなた
「はい…申し訳ございません……」
チャイムがなる。
モブ3
「失礼しますー。」
クラスメイト
「こんな時に…何なんだい?」
クラスメイト
「シンデレラ!お前は奥に行ってな!」
あなた
「わかりました…」
あなた
「……こんな時でも諦めちゃダメ。確か…昔、挫けそうになった時は歌を歌うと良いって言われたのよね」
あなた
「〜〜♪」
モブ3
「王子が、この家にいる娘を全員出してほしいとのことですー」
クラスメイト
「わかりましたわ。サリ!エリ!おいで!」
モブ2
「はぁい〜」
春澤 早織
「はぁい〜」
灰羽リエーフ
「君たちはあの時の…」
春澤 早織
「王子様!私達のこと覚えてくださったのね!」
モブ2
「まるで運命!」
灰羽リエーフ
「そ、そうだな…と、とにかく。この靴を履けるか?」
アナウンス
そうやって王子が差し出した靴はシンデレラが履いていた靴です。
春澤 早織
「は、履けるけどブカブカ…」
モブ2
「私は履けないわ…」
モブ5
「そうですか…それならば次の家に…」
灰羽リエーフ
「!待て。もう1人娘がいるんじゃないか?誰のものでもない歌声が聴こえたぞ。」
クラスメイト
「…そうですわね……こっちにおいで!シンデレラ!」
灰羽リエーフ
「シンデレラ…!」
あなた
「は、はい、何でしょうかお母さま。」
モブ5
「この靴を履いて頂きたいのですが……」
あなた
「は、はい。わかりました。」
私(シンデレラ)はおそるおそる靴に足を入れる。
アナウンス
シンデレラが靴に足を入れると、なんと!靴にピッタリ入りました!
灰羽リエーフ
「もしかして、貴方はあの舞踏会の日、踊ったシンデレラなのか?」
あなた
「王子様…!」
クラスメイト
「ど、どういうこと!?アンタは行くなって言ったじゃない!」
モブ5
「王家からの招待状では娘を全員連れてこいと言ったはずなのだが…」
クラスメイト
「…はっ……!」
モブ5
「これは、どういうことなんでしょうねえ」
クラスメイト
「……っ!」
灰羽リエーフ
「お城へ行こう、シンデレラ。」
あなた
「わ、私のようなものが本当に行ってもよろしいのですか?」
灰羽リエーフ
「問題ないよ。さあ、城へ出発だ!」
アナウンス
そして、城へ着いたシンデレラは着替えさせられた後…
また普段のシンデレラの地味めな服からドレスに着替える
(ちなみにドレスから普段のシンデレラの少し地味めの服には20秒で着替えられる。)
これで最後のシーン。シンデレラが王子からプロポーズされるのだ。
灰羽リエーフ
「俺はあの日、一目見た時から貴方に惚れました。」
あなた
(私でもキュンてする…)
灰羽リエーフ
好きです
あなた
(台詞覚えてないけど次で最後のはず)
灰羽リエーフ
「俺と結婚してください!」
私はシンデレラになったつもりで精一杯答える。
あなた
「こんな私で良ければ、はい!」
それで、私がリエーフ(王子)の手をとって劇は終わった。
観客
本当にレベル高かった〜音駒の文化祭って人気だけどさ、その理由わかった気がするわ
観客
しかも、王子とシンデレラの役の子美男美女…惚れたわ
観客
衣装とかも凄かったなあ〜
観客
ライトとかのレベルも高かったし普通に劇団作れそうだったなー。これだけは見といてよかったわ
モブ
大成功…!
モブ
あともう1回の公演!頑張ろー!
全員
おー!
けれど、次の劇の開演時間まで30分もある。暇だー
モブ1
リエーフぅ(ニヤニヤ)
モブ2
言わねーの?(ニヤニヤ)
灰羽リエーフ
っ!わ、分かってるよ!
灰羽リエーフ
あなたの名前の1文字目(例)めい→め、あなたの下の名前!
あなた
?なあに?
灰羽リエーフ
あ!こっち来てくれない?
あなた
いいよー
春澤 早織
(やっと告白する気になったか。)
私はリエーフに連れられて劇をするクラスの控え室となっている部室棟の廊下に出る。衣装は着たまんまだ
あなた
?リエーフどうしたの?
灰羽リエーフ
…初めて、会った時、ホントに綺麗だなって思って、好きになりました!
灰羽リエーフ
す、好きです!付き合ってください!
リエーフが手を差し出す。
あなた
…勿論!こんな私でもいいならね。
灰羽リエーフ
…え?い、いいの?
あなた
…?私はリエーフのこと、好きだよ?
灰羽リエーフ
!俺もあなたの下の名前のこと好き!
リエーフが私に抱きつく。その瞬間、控え教室からクラスメートが出てきて囃し立てる。
春澤 早織
リア充永遠に爆発しろーっ!うわああああ
モブ2
やっとくっついたー!
モブ1
お前ら付き合うの待ってたんだぞー!
モブ5
お幸せにー!
リエーフが俯く。私は顔を除きこむ。
あなた
リエーフ大丈夫?
灰羽リエーフ
うぇ!?
覗き込んだリエーフの顔は真っ赤だった。
あなた
なんでそんなに真っ赤なの!?
灰羽リエーフ
いやその、嬉しいなーって
あなた
!リエーフかんわいいー!
灰羽リエーフ
ちょ、やめてよ!あなたの下の名前だって顔赤いくせにー!
春澤 早織
イチャつくなバカップルがあああ
2回目公演ではダンスシーンが1回目よりも上手くできた気がしたのだった。
名無  名
名無 名
急な長さの違いに私もビックリした。長すぎて私も驚いた
名無  名
名無 名
電車の中で(朝の通学途中)プリ小説を読んでる同じ学校の知らない人がいて
名無  名
名無 名
完全不審者だけどスマホチラッと覗き込んだらハイキューの夢小説で
名無  名
名無 名
「この人ッ…同類かッ…」って思いましたー
名無  名
名無 名
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