まあ、本番なんですぐにやってくる。そういうもの、だけど、なんか思ってたより早く本番は来てしまった。
今日がもう本番とか、時空歪んでる気がする……
おっ!あなたの下の名前も年取ったねえー!笑
ちょっと早織、何言ってんの!私はピチピチのJKよ!
軽く早織の頭を叩く。
ちょっとー!この巻き髪苦労したんだよー?
ヘアアレンジも私に任せなさい!
あ、○○さん、髪ハーフアップにしてくれてありがとね!
いやいや、あなたの下の名前ちゃんにはハーフアップに大きめのリボンとか似合うかなーって思ってつけてみただけだから!
そのセンスが凄いよ……
それほどでも〜…
それにしてもこのあなたの下の名前ちゃん。最初の頃のシンデレラのちょっとボロい格好のはずなのになんか、可愛いオーラがすごいね…
そうかな〜えへへ
ほーら可愛いいい
これは世界の常識です。
何言ってんの。準備しないとだよ。ほら!
うん!がんばろー!
うん!
それじゃ、もう少しで開演時間だからそろそろ行こっか。
じゃあその前に、クラスのみんなで円陣組みましょー!
えー、今回の文化祭のために色々なものを買ってお金が飛び、全員で練習してより良いものにしていきました!
最高の舞台にしましょー!
おおおーーっ!
午前中に私たちは劇をトップバッターでやることになっていて午前中に二回、次の日の文化祭は何も無い。
それでは、1年3組「シンデレラ」です。
ブザーがなって幕が開く。
「はあ、これも片付けたあとはあっちの掃除かあ……」
お城の狭い屋根裏部屋の中、ため息をついているのは「シンデレラ」という少女です。お嬢様だったシンデレラですが、継母と義姉達がやってきた後にお父さんは死んでしまい、今はシンデレラと継母、義姉の4人で暮らしています。
「シンデレラ!早くこの部屋を片付けなさい!その後は廊下と階段。あと庭も綺麗にしなさい!」
「はい、お母さま…」
「あーら。ここの汚れが残っているわ。やり直しよ!」
「はい…エリお姉様」
「ちゃんと仕事もできないなら屋根裏部屋からも追い出すわよ!とっとと仕事しなさい!」
「ごめんなさい、サリお姉様」
このようにシンデレラは酷い扱いを受けていました、そんなある日。
「郵便でーす!王家からの舞踏会への招待状ですー!」
「あら、中身を見て見ましょ」
「!早く早く!お母様!見せて!」
「私もいきたーい!」
「お前ら、少しお待ち。なんだって?『今夜8時から城で誰でも自由参加の舞踏会を開きます。そして国中の女子の中から王子の婚約者を決めます』……」
「お母さま!これはチャンスよ!」
「あぁ、そうだねえ今日は着飾ろうか。」
「あの!お母さま!私も行きたいです!」
「はあ?何を言っているんだい?お前は留守番だよ!ほら、これでも拾ってな!1粒でも集め忘れたんなら舞踏会になんて行けないからね!」
そう言って継母は近くにあったパールのネックレスを引きちぎってパールをばら撒きました。
そして時間はすぎ、あっという間に夜になりました。
「ほら!お前たち!馬車にお乗り、行くよ!」
「キャーっ!楽しみだわあ」
「アンタはそこでずっと座ってたら?じゃあね笑」
馬車は勢いよく出発していきました。
「うぅ…酷いわ……」
「おや?そこのお嬢さん。お困りのようだねえ」
「?貴方はだれ?」
「私は魔法使いだよ。君に魔法をかけにきたんだ。」
「ちょっとたってご覧?」
「は、はい。」
「せーの!ビビデバビデブー!」
一気に舞台の上は暗くなった。ここが練習の成果を発揮する場所だ。私はダッシュで走り髪の毛の三角巾を外してリボンをつけたりドレスを来たりして、練習通りの25秒で戻ってきた
舞台がまた明るくなる。
「!これは……」
「私の魔法で作ったドレスだよ。あれ?靴が無いようだねえ、それならば、ビビデバビデブー!」
確定で魔法では無い。私の体力だ。
「!まあ、なんて素敵な靴なの!」
「このドレスは魔法で作ったものだからねえ。12時までしかドレスは着れないよ。12時を過ぎたらドレスは消えてしまう。だから12時を超えるまでに帰ってくるんだよ?」
「はい!わかりました!」
「馬車も用意しないとだねえ、ビビデバビデブー!」
「凄いわ…とっても豪華で素敵…」
「魔法使いさん。貴方はなんでこんなにも私に魔法をかけてくださるの?」
「それはねえお前さんがこれまで頑張って来たからだよ。きっと王子はお前のような人を好むだろう。」
「ありがとうございます!魔法使いさん!」
「楽しんでおいで」
城では舞踏会が始まっています。
「キャーっ!あの人が王子様?かっこいいわあ…」
「こんな人の妃になれる人はよっぽどすごい人なのでしょうね……」
「はあ、どこかに素敵な女性はいないものか…」
「エリック。俺と趣味の合うような素敵な人はいるか?」
「それを今夜見つけ出すのでしょう。執事の私には見当もつきません。王子しっかりしてください。素敵だと思った方にはどんどん声をかけていくのです。」
「そうは言ってもなあ…」
「王子様ァ…私と一緒に踊りませんか?」
「いえいえ、わたくしと…」
「えっ!?あぁいや、俺は他に踊る人がいるんだ、」
「…そうなんですのね。ちなみにその方はどなたで?」
「えっと…」
この2人から逃げ出したかった王子は会場の入口付近にいて注目を集めていたシンデレラの手を掴みました。
「私はこのお方と踊るんだ。」
「え?お、王子様?」
「っ…そうなんですね」
「急に手を引いてしまって申し訳ない。しかし美しいと思ったのは思ったのは本当だ。私と1曲踊ってくれませんか?」
「こんな私で良ければ…」
曲が流れ出す。この劇の目玉のダンスシーンだ。
(右、左、後ろ、左、右、一回転)
(ち、近い…)
右へ左へ、後ろへ前へ。色んな方向へ動いていく。リエーフのエスコートと動きを合わせてこそのダンスだ。
(ここで一回転してリエーフに支えてもらいながら私は後ろの方へ倒れるっ、)
……ダンスシーンは終わった。その後も軽くダンスしたりする場面はあったが、まあ簡単だった。
リーンドーンガーンゴーンと鐘の音(効果音)がなる。
「もう12時なの?急いで帰らなきゃ!」
私(シンデレラ)は走り出す。ホントにシンデレラになったみたい。
「ま、待って!せめて貴方のお名前を!」
「…私の名前はシンデレラです。さようなら。」
しかし、階段のセットのところで靴が脱げたフリをする。私は本当に靴を脱ぎ捨てて裸足で舞台の上を走ったのだ。
「っ!ドレスも馬車も全部消えてしまったわ…」
「お母様とお姉様が帰ってくる前に私も帰らないと!」
場面は変わる。
舞踏会は終わり、シンデレラはいつもの継母と義姉からの嫌がらせを受ける日々に戻りました。しかし、街では王子がシンデレラを探すために街中の娘のいる家を訪ねてシンデレラの落とした靴にピッタリ合う人物を探しているのでした。
「シンデレラ!ここに埃が残っているよ!お前は何をしていたんだ!」
「はい…申し訳ございません……」
チャイムがなる。
「失礼しますー。」
「こんな時に…何なんだい?」
「シンデレラ!お前は奥に行ってな!」
「わかりました…」
「……こんな時でも諦めちゃダメ。確か…昔、挫けそうになった時は歌を歌うと良いって言われたのよね」
「〜〜♪」
「王子が、この家にいる娘を全員出してほしいとのことですー」
「わかりましたわ。サリ!エリ!おいで!」
「はぁい〜」
「はぁい〜」
「君たちはあの時の…」
「王子様!私達のこと覚えてくださったのね!」
「まるで運命!」
「そ、そうだな…と、とにかく。この靴を履けるか?」
そうやって王子が差し出した靴はシンデレラが履いていた靴です。
「は、履けるけどブカブカ…」
「私は履けないわ…」
「そうですか…それならば次の家に…」
「!待て。もう1人娘がいるんじゃないか?誰のものでもない歌声が聴こえたぞ。」
「…そうですわね……こっちにおいで!シンデレラ!」
「シンデレラ…!」
「は、はい、何でしょうかお母さま。」
「この靴を履いて頂きたいのですが……」
「は、はい。わかりました。」
私(シンデレラ)はおそるおそる靴に足を入れる。
シンデレラが靴に足を入れると、なんと!靴にピッタリ入りました!
「もしかして、貴方はあの舞踏会の日、踊ったシンデレラなのか?」
「王子様…!」
「ど、どういうこと!?アンタは行くなって言ったじゃない!」
「王家からの招待状では娘を全員連れてこいと言ったはずなのだが…」
「…はっ……!」
「これは、どういうことなんでしょうねえ」
「……っ!」
「お城へ行こう、シンデレラ。」
「わ、私のようなものが本当に行ってもよろしいのですか?」
「問題ないよ。さあ、城へ出発だ!」
そして、城へ着いたシンデレラは着替えさせられた後…
また普段のシンデレラの地味めな服からドレスに着替える
(ちなみにドレスから普段のシンデレラの少し地味めの服には20秒で着替えられる。)
これで最後のシーン。シンデレラが王子からプロポーズされるのだ。
「俺はあの日、一目見た時から貴方に惚れました。」
(私でもキュンてする…)
好きです
(台詞覚えてないけど次で最後のはず)
「俺と結婚してください!」
私はシンデレラになったつもりで精一杯答える。
「こんな私で良ければ、はい!」
それで、私がリエーフ(王子)の手をとって劇は終わった。
本当にレベル高かった〜音駒の文化祭って人気だけどさ、その理由わかった気がするわ
しかも、王子とシンデレラの役の子美男美女…惚れたわ
衣装とかも凄かったなあ〜
ライトとかのレベルも高かったし普通に劇団作れそうだったなー。これだけは見といてよかったわ
大成功…!
あともう1回の公演!頑張ろー!
おー!
けれど、次の劇の開演時間まで30分もある。暇だー
リエーフぅ(ニヤニヤ)
言わねーの?(ニヤニヤ)
っ!わ、分かってるよ!
あなたの名前の1文字目(例)めい→め、あなたの下の名前!
?なあに?
あ!こっち来てくれない?
いいよー
(やっと告白する気になったか。)
私はリエーフに連れられて劇をするクラスの控え室となっている部室棟の廊下に出る。衣装は着たまんまだ
?リエーフどうしたの?
…初めて、会った時、ホントに綺麗だなって思って、好きになりました!
す、好きです!付き合ってください!
リエーフが手を差し出す。
…勿論!こんな私でもいいならね。
…え?い、いいの?
…?私はリエーフのこと、好きだよ?
!俺もあなたの下の名前のこと好き!
リエーフが私に抱きつく。その瞬間、控え教室からクラスメートが出てきて囃し立てる。
リア充永遠に爆発しろーっ!うわああああ
やっとくっついたー!
お前ら付き合うの待ってたんだぞー!
お幸せにー!
リエーフが俯く。私は顔を除きこむ。
リエーフ大丈夫?
うぇ!?
覗き込んだリエーフの顔は真っ赤だった。
なんでそんなに真っ赤なの!?
いやその、嬉しいなーって
!リエーフかんわいいー!
ちょ、やめてよ!あなたの下の名前だって顔赤いくせにー!
イチャつくなバカップルがあああ
2回目公演ではダンスシーンが1回目よりも上手くできた気がしたのだった。
急な長さの違いに私もビックリした。長すぎて私も驚いた
電車の中で(朝の通学途中)プリ小説を読んでる同じ学校の知らない人がいて
完全不審者だけどスマホチラッと覗き込んだらハイキューの夢小説で
「この人ッ…同類かッ…」って思いましたー
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編集部コメント
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