有岡side
俺が顎クイをした時、あなたの腕が動いて、あなたの手が俺の顔にのびてきた。
俺の顔を包むようにして優しく触れてくれた。
でも、すぐに山田がこれに気付いて俺とあなたを離した。
危うく、歌詞が飛ぶところだった。
俺、勘違いするなよ、あれはあなたが動けることを知らせたかっただけで、俺に何かしらの感情がある訳じゃない…………多分……。
山田の視線がこちらを向いた。
鋭い視線で、牽制するような感じで。
あれは演技なのか………本気なような気もしてくる。
だったら、俺だって負けない。
あなたは俺だけを見てればいい
山田side
ヤバ…大ちゃんスイッチ入ったな…
てかさっきの何?
あなた動けるようになってたし。
それ自体は良いんだけど、あなたの手、大ちゃんの顔触ってたよな……
俺されたことないのに………
でも、俺だって譲らないから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。