あの日。
私と弟たちの人生が大きく狂う事になった出来事が起きた。
一番下のりうちゃんが高校に無事入学し、私が高校三年生となる日の数ヶ月前。
私は…………唯一親戚に引き取られた、7人のうちのひとり、桃佳というたったひとりの私の妹。
そんなひとりの妹に再会した。
そして再会して桃佳に投げられた一言目は最悪なものだった。
もちろん私は全く何を言われているのか状況がうまく掴めなかった。
でも、一方的に話されるうちに段々と理解して…
憎んでる、そんな言葉を聞いて なんで……? という言葉を私が放つ前に、桃佳は言った。
そう笑うと、次に桃佳は私の耳元で
そう囁き、歩いてこの場を去っていった。
普通なら従わないだろう。
でも桃佳の眼は本気だった気がして、弟たちにされるいじめが怖くて。
……私はこの日から、弟たちに冷たくし始めたんだ。
従っても尚、桃佳が裏で弟をいじめてることなんてこれっぽっちも知らず、ただ私達姉弟が傷つく一方だということも知らずに __ 。
N e x t ➶ ☆ × 136
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!