わたわたしてる賢治くんに、私はにっこり笑って一冊の本を見せた。
意味がわかったのか、賢治くんが目を輝かせる。
僕はそういって、にやりと笑う。
直後、周りの景色が一変した。
荒野のただ中、僕は立っていた。
僕は微笑んだ
太宰のことだからきっと…
一方その頃、
粉の入った袋が破れて、あたりにもうもうと立ち込める煙。
私は教えてあげた
粉塵爆発、というものがある。
小麦粉とか、そういう可燃性の粉がある程度の密度で空気中に充満していた場合、僅かな火が空気中の粉に燃え移り、爆発する。
私が言葉を続けようと口を開いた瞬間、
治兄が頬をむにーーーっと引っ張る
治兄が確認形語句を使って「怒る」と宣言したらめっちゃ怒られることの予兆。
あ、これ、死んだかもしれないと思った。
正直、銃を持った男とかより兄の方が怖い…
勿論、めちゃくちゃ叱られた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!