あー...なんでこうもうまく行かないかねー
ほんとーはさ、落ち込んでる皆を上手いこと励ましてそれで解決させるつもりだった。
他殺だと聞いて復讐心を持つ奴らも、その反対で早く前に進みたい奴らが居るだろうことも、それが誰なのかも大体わかってた。お互いが多少対立し、口論になることも。だから俺が上手いこと言って仲裁して平和的に解決して、皆の俺に対する信用が更に上がって、それで終わり。そう思ってた。
里亜があんな発言しなければ。
余計なことしてくれたよねー...って思う。
でもつい里亜に声を荒らげたのは失敗だった。つい、「仲間思い」が出ちゃった。
里亜は出会った当初に上手いこと言ってけっこーな信頼を得ていたはずなのに。少なくとも、このメンバーの中では一番。
でも...まあ...いいか...
どーせ里亜はこれから俺等と関わることもほぼ無くなる。皆の精神状態が悪かったゆえに里亜にきつく当たったのかもしれないが、普通でも怒られそうなことを言ってたしなー。誰かが____あられか琉輝&ひなたあたりが話をしに行くかもしれないが、根本から考えが違うのなら、況して昨日のような反応なら、和解は難しい。
...
...人の考えって分からないんだな。
今までこんな事考えたこともなかった。
だって、その必要がなかったから。
人の考えが読めたから。
でもそれはきっと「日常」の中の「常識」のみで通用することだったのだ。
あー...なんかもうどうでもいいやー
スマホを手に取り写真を開く。
(鏡合わせの双子メーカー様使用)
そっと目をつむり、思い返してみる。
〜4ヶ月前〜
約束、果たせなかったな...
そっか...もう、二度と、出来ないんだ...
一緒に出かけたり、話したり。顔を見ることでさえ...
あれえ?おかしいな。割り切ったはずなのに。
...そっか。まだあったんだ。
『寂しい』 『悲しい』 『虚しい』
『苦しい』 『辛い』
『会いたい』
多分私はこの気持ちを早く捨てるために他の感情で塗りつぶしたんだ。無理やり埋めて、誤魔化したんだ。自分が傷つかないように。
...今度は、自然と涙が出てきた。
みんなに謝らないとなあ、酷いこと言った。
正直気まずいし恥ずかしいけど、向き合わないのはもっと駄目だ。許してもらえなくても、決別することになっても、きちんと結末を...
その時。
チャイムが鳴る。
誰かな。
行こう。
久しぶりだあ()
そしていつも通りまとまらない登場人物の思想。
そして期末があるので終わるまで書けない定期。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。