第41話

本心
321
2023/10/10 12:00
メテヲ
(あー、お腹すいたな)
普段メテヲはコーヒーとトーストという、お手本のような朝食をとっている。

だがもちろん、今朝はそんな時間はなかった。
メテヲ
はー…
みぞれ
コンビニ寄りますか?
メテヲ
へ?
みぞれ
朝ごはん食べてないんですよね?
メテヲ
ん…まあ
みぞれ
じゃあ行きましょ、ここ曲がれば近道です
みぞれ
ほら…
メテヲ
え、ちょ…っ!
みぞれに腕を引かれ、メテヲは通学路から外れた。














メテヲ
ねえ、いいの?
メテヲ
寄り道なんかしちゃってさ
メテヲ
学校着く時間遅れちゃうよ?
みぞれ
いいじゃないですか、別に
メテヲ
え…
今日は何か様子がおかしい。

メテヲの知るみぞれはこんなことを言う人ではない。
メテヲ
なんか今日おかしくない?
みぞれ
ん?
メテヲ
…みぞれさんじゃないみたい
みぞれ
………
メテヲが歩みを止めると、みぞれが振り返る。
みぞれ
メテヲさんに言われたくないです
メテヲ
へ…?
みぞれ
嘘ついてるくせに…
みぞれ
そんなのこっちのセリフですよ!
メテヲ
きゅ、急にどうしたの
メテヲ
嘘なんかついてないってば…
みぞれ
そんなわけないでしょ
みぞれ
じゃあなんですか、本気で写真部を諦めるつもりなんですね!?
メテヲ
……!
メテヲ
さ…さっきも言ったよね、それでいいんだって
メテヲ
みぞれさんだって同じ気持ちって言ったし
メテヲ
昨日もメテヲに反対しなかったじゃん!
みぞれ
それは…
メテヲ
嘘?嘘なんだ?
メテヲ
メテヲにそう言っといて自分だって…
みぞれ
……
みぞれ
そうですね、嘘です
メテヲ
……!
みぞれ
ほら…メテヲさんも認めてくださいよ
みぞれ
廃部でいいなんて嘘だ…って
メテヲ
……
みぞれ
私は諦めたくない
みぞれ
メテヲさんだってそうでしょう?
みぞれ
昨日か一昨日、貴方が何を思ったのかは知りませんが
みぞれ
しょうがないなんて、思ってないはず…!
メテヲ
……それを
みぞれ
……










メテヲ
それを昨日言ってほしかった…
みぞれ
……っ
みぞれ
…ごめんなさい
メテヲ
……あ…
メテヲ
違う、こんなこと……
みぞれ
……
メテヲ
あーもう…!
メテヲ
これじゃあ、みぞれさんのせいにしてるみたいじゃん…
みぞれ
………
みぞれ
……ふふ
メテヲ
…!
みぞれ
大丈夫ですよ、分かってますから
メテヲ
みぞれさん…
みぞれ
ごめんなさい…性格悪かったですね
みぞれ
メテヲさんの言葉が本心かどうかなんて、私にはすぐに分かりますから
メテヲ
そうなの?
みぞれ
ええ、2年間友達やってますから
メテヲ
はは、何それ
みぞれ
ふふ
メテヲ
まあでもそっか、メテヲ達友達3年目だもんね





みぞれ
……ん?
メテヲ
え?
みぞれ
なんですか、友達3年目って
メテヲ
え、みぞれさんと言ってること大して変わらなくない?
みぞれ
いや…ちょっと引っ掛るんですけど
メテヲ
いやいやいや
メテヲ
それより!お腹すいたし早く行こ
みぞれ
あ、誤魔化しても無駄ですから
メテヲ
別にそんなんじゃないから
みぞれ
ま…いいですけど
みぞれ
何買うんですか、菓子パンとか?
メテヲ
んー、じゃがりこ
みぞれ
じゃがりこ!?朝ごはんに?
メテヲ
いいでしょ別に
みぞれ
学校着くまでに食べきれるんですか?
メテヲ
みぞれさんもちょっと手伝って
みぞれ
えー…朝からお菓子は……
メテヲ
つべこべ言わない!

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