そこまで話して、顔をあげると、ぐくは目を丸くしたまま、こっちを見てた。
人を殺しまくったくせに。
幸せなんか望んでいいわけない。
ぐくは、泣いた。
こういう、子だった。
昔からあまりにも優しかった。
…そういう子だった。
自分の思いを隠して隠して、ひたすらに笑おうとして。
じみなと俺が付き合ったときも、すごく笑顔で、おめでとうございます!!と言った。
…もういいよ、
隠さなくて、いいよ。
ちゃんと、じみなを幸せにしてあげて。
俺たちが歩き出すと、ぐくは唇をきゅうっと、噛み締めた。
そう言うと、ぐくは少し戸惑ったあと、口角を無理矢理あげて涙を流しながら、笑った。
そう呟き、俺は、また歩き出した。
……さよなら、さよなら、2人とも。
必ず、幸せになるんだよ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!