( kn side )
最初はほんの出来心だった。
ただ親への反抗心。
高校2年生で反抗期真っ盛りな俺は親と喧嘩して家を出てきた。
親は勉強などにうるさく、真面目な俺が好きだった。
それが嫌で、逃げたくなって、
何も考えずに財布とスマホを持って家を出て、向かった先はパチンコ屋やそーいう系が立ち並ぶ夜の街。
今まで親の言いなりでカラオケも行った事なかったし、もちろん夜遊びなんてしたこともない。
でも....楽しそう!!!
...っと、世間知らずの俺が入ったらすぐにこの様。
元々髪を伸ばせば女にも見える顔をしていた俺はナンパに声をかけられた。
チャラそうで、25歳ぐらいの2人組。
どうしたらいいのか分からず、恐怖と後悔に襲われる。
終わった。
恐怖で手に力が入らなくて、今にも腰が抜けそうで、2人に腕を掴まれている俺はそう確信した。
その時、1人の声がした。
ニコニコとして、緩く喋るその人はこの夜の街には似つかない黒いスーツを着ている。
誰なんだ...?この人......
赤井株式会社....??
いつだったかニュースで見た、。
確か、潰れかけのここらの商店街を夜の街に変えて、再復帰させたっていう.....
そう言って走っていく男達。
助けてくれた....???
そう言って去っていった背中に向かってべーっ、としている姿はとても凄い人には見えない。
勢いよくばッ、と頭を下げる。
今帰ったって、今までと何も変わらない。
このまま親の人形として敷かれたレールの上を進むだけの人間になる。
そんなの....嫌だ。
その3日間は夢のような時間で、
ゲーセンに行ったり、カラオケに行ったり、
とにかく普段出来なかったことを沢山した。
そして今日はとうとう家に帰る日。
瑠玖さんと別れ、久しぶりに家の中に入る。
家は静まり帰っていた。
リビングに入ると、母さんがソファに座っていた。
こちらを見ようともしない。
急に抱きしめられて泣いている母さん。
『母さんと父さんと仲直りしました!』
と瑠玖さんにメールを送ると、
『おめでと〜!』と返ってきた。
その後、
瑠玖さんと俺が付き合うのは、また別のお話...












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。