side:佐藤 ((嘔吐シーンあります注意 ⚠️))
わかってた 。留学に行った時点で
そうなのかなって大体想像はついとった 。
… でも 、実際文章として目の当たりにすると
つらくてしんどくて嫌でたまらなくて 。
メンバーの前では我慢してた涙が
トイレの鏡の前でボロボロと落ちる 。
なんでなん 、真鳥も一言くれへんやん 。
みんな傷つけたくあらへんからって …
言わない方が傷つくのいつになったら分かるん 。
なんてみんなの気遣いでさえ憎い
と思ってしまう自分が一番嫌い 。
『 … っふぅ 、ズズッ 、っう 、ぇっ 、
おぇ"っ 、っあ 、ごほっ 、おぇっ 、』
気持ち悪いのが襲ってきて涙と
一緒にそのまま吐き出してしまう 。
ゆっくり呼吸を整えようと思っても
ゼーハーゼーハー言うばかり 。
目は潤みすぎててほぼなんも見えへんし 。
ああ 、なんで私こんなに弱っちいんやろ 。
なんて思っていると 、背中にポン、ポンと
一定のリズムで叩いてくれる手が現れた 。
「 大丈夫やで 。ゆっくり息吸い 、」
『 … っきょ 、へ 、ごほっ 、はぁっ 、』
高橋「 ん 、俺はずっとおるから 。
あなたのペースで大丈夫や 」
『 … っはぁ 、げほっ 、』
高橋「 そうそう 。ゆっくりゆっくり 」
こんな時に現れるシンメは神なのか 。
普段なら女子トイレ入ってる時点でアウトやけど
今は蹴飛ばす気力なんぞ全くをもってないから
大人しく恭平の指示に従うしかなかった 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。