side:西畑
朝からダルいし体重いなって思ってたんやけど
俺1人のために位置ずらすわけにはいかんし
家出るときは微熱やったから
マスクしとけば大丈夫やって思ってた 。
やけど体の悪さはどんどん悪化していく一方で 。
あなたはそれに気づいて
俺を無理やりソファーまで連れて行った 。
『 ごほっ 、っげほ 、』
佐藤「 ん 、(体温計を渡す)」
『 、、、げほっ 、』
佐藤「 、、、はぁ 、」
正直に言うと 、体温測る力ですら
もう残ってへんねん 。結構しんどい 。
なんて思ってると後ろからあなたの手が
ニュッと伸びてきてそのまま俺の服引っ張って
体温測り始めやがった 。は 、なんなんこの体勢 。
バックハグ状態やん 。待ってみちながと流星
そんなニヤニヤせんといて 。ちゃうから 。
丈くんスマホ向けるのやめて 。ちゃうから 。
恭平そんな拗ねんといて 。ちゃうから 。
はっすんせんべい食わんで 。音うるさいから 。
大橋「 (バリボリバリボリ)」
『 、、、けほっ 、』
" ピピピッピピピッ "
佐藤「 … ほんまアホちゃう?
38度とか絶対しんどいやん 」
大西「 38 … ?!大ちゃん
それもう帰った方がええて 、!!」
『 大丈夫 、やしっ 、… 』
佐藤「 マネに車お願い
するからそれで送ってもらい 」
『 っええて 、!!!
勝手なことすんなっ 、!!!』
俺はあなたが握っていた携帯をはたき落とした 。
ごめん 、我に返ったら多分弁償するわ (
やけど今は 、お願いやから強がりでいさせて 。
『 別に普通に踊れとるやん 、!!!
何がいけないん 、?!誰にも
迷惑かけてないやんか 、だからっ 、
げほっ 、だから 、!!!!!!』
佐藤「 西畑 」
『 っ 、… ごほっ 、げほっ 、』
佐藤「 … 今はグループ戦やから 。
もう 、もう去年とは違うから 。
個人で戦わなくてええの 。
個人で抱え込まなくてええの 。みんなに
頼ってええねんて 、グループなんやから 」
… あなたはほんまにずるい 、
慣れてるっていうか 、俺の扱いを分かってる 。
俺をなだめるように座らせてどこから取り出したか
分からない冷えピタを俺のデコに貼った 。
ジュワッと感じる冷たさが妙に落ち着いて
なぜか涙がボロボロと溢れてきたんや 。
訳わかんなくて頭をぐしゃぐしゃにしてから
パーカーのフードを深くかぶった 。
佐藤「 ほんま人には頼れって
言うくせに自分は頼らんのな 」
『 … っさい 、ズズッ 、』
佐藤「 何がうるさいじゃボケ 」
『 自分が頼るように
なってからボケゆえアホ 、』
佐藤「 なっ 、ほんっまに今日
コンサートやったら無理やりにでも
帰らせてたからなお前!!!」
『 … それでも我慢して立つの知ってるやん 。
ってかあなただってそうするやろ 、』
佐藤「 … 調子乗んなチビ 」
『 チビ言うなブス 』
佐藤「 なんやと 」
大西「 ああもう!黙って聞いてれば2人とも
口悪すぎやから!!!!!アイドルなんやし
もうちょい直して!!!分かった?!」
佐西「『 … ハイ 』」
あなたは流星に連れられて練習に戻ってった 。
ソファーから見るなにわ男子は楽しそうで 、
俺らこんな風に見えてるんやなあって感じた 。
やっぱり最強な8人組やな 、なにわ男子は 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!