突然だった。
左手の薬指に入ったひびを見て、
私は小さく息を呑んだ。
また増えた。
最近少し落ち着いてたのに。
談話室も静かになる。
私は慌てて袖を下ろした。
思わず返すと、
少しだけ笑いが起きた。
その時、
大きな音を立てて
向かいの椅子が倒れる
ちぐさが立ち上がる。
私は何が起きたのか分からない。
でも、
みんなの反応は早かった。
まるで慣れてるみたいに、一瞬で動いた。
私は呆然とする。
あっとは床に倒れたまま、
ぴくりとも動かない。
呼吸も。
瞬きも。
何も。
まるで。
人形みたいだった。
停止症候群。
感情が大きく揺れると、
突然、本当に突然。
身体機能が停止する病気。
私は説明だけは聞いていた。
でも、
実際見るのは初めてだった。
怖い。
大丈夫かな。
いつもの。
こんなのが。
五秒。
十秒。
十五秒。
時間が妙に長い。
私は無意識に手を握る。
あっとの指先が動いた。
床から声がした。
談話室の空気が一気に緩む。
当たり前だけど、本人は1番嫌そうだった。
あっとがゆっくり身体を起こした。
私は少し迷う。
それから。
小さく頷いた。
あっとは黙る。
少しだけ。
本当に少しだけ。
申し訳なさそうな顔をした。
私は首を横に振った。
違う。
そうじゃない。
私は言葉を探す
胸が痛む
停止するあっと。
感覚を失っていくぷりっつ。
動けなくなっていくけちゃ。
記憶が抜け落ちるちぐさ。
黒花が咲くまぜ太。
咳をするたび苦しそうなあっきぃ。
私は今さら気づいた。
ずっと。
自分のことで精一杯だった。
談話室が静かになる。
そして、
その言葉に
思わず吹き出した。
隣から小さな笑い声。
ぷりっつだった。
圧がすごい。
私は少し考えて。
それから笑う。
談話室のみんなが、
少しだけ嬉しそうな顔をした。
ごめんねなんか意味わかんない展開で
毎日投稿終了!!!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。