侍女の世辞というものではなく、実際に。
ため息が出るほど美しかった。
さすが父上…いや主上の寵妃だ。
裳の紅に、薄紅の着物。その上に羽織る大袖は裳と同じ紅色で金糸の刺繍が施されている。髪は二つの輪で結えられていて、二つの花簪と真ん中に冠が載せられている。
侍女たちはそれに従えているという意味で、玉葉妃に合わせた薄紅の裳を履く。
そういって髪や耳、首に飾りをかけていく。
猫猫も玉のついた首飾りを付けられている。
壬氏さま呼びはやはり慣れない。
偽名なんて使わなけりゃいいのに、めんどくさい
侍女たちはこの会話に各々はてなマークをつける
あなた、いやあなたの下女時の偽名は玉のついた髪飾りを玉葉妃につけてもらった。
いや、可愛くなんてなったら困る───────












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!