第2話

転校生
698
2019/04/04 00:51
ヨファ
ヨファ
あなた、ミスミソウって知ってるか?
あなた

当たり前じゃん。
俺の脳内なんのためにあると思ってんの?
全ては花言葉を記憶するだめだよ?

ヨファ
ヨファ
でさ、そのミスミソウの花言葉って何?
あなた

完全にスルーしたな。
ミスミソウの花言葉は……。

キーンコーンカーンコーン(チャイムがなる音)
ヨファ
ヨファ
あ、また後でな。
あなた

ん。

俺の前の席に座っているヨファ。

俺の唯一無二の親友である。

つまらないホームルームの間に、軽く自己紹介するね。

名前はキムあなた。

高校2年生で、2年B組だ。

クラスでは目立つほうではなく、ただ平穏に過ごせればそれでいい。

自分から目立とうとするなんて俺には無理だ。

前髪は目までかかるくらいまである。

これは過去の秘密を隠すためでもあって、目立たないためでもある。
ジヒョ先生
ジヒョ先生
あなたさん、聞いてますか〜?
ヤベ、完全に耳が先生の話を拒絶してた。
あなた

はーい、聞いてると思いまーす。

ジヒョ先生
ジヒョ先生
そうですか、ならいいですけど?
じゃあ、ミナはあなたの隣ね?
ジヒョ先生はいつも元気で、生徒たちから絶大な人気を誇る先生だ。

優しくて相談にものってくれて若いから、お姉さんみたいな感じ?

とりあえず人気なんですよ。俺もかなり好き。

って、ん?先生、今なんて言いました?
ヨファ
ヨファ
お前、聞いてなかったでしょ。
あなた

うん、聞いてなかった。

ヨファ
ヨファ
素直になるな。

あの子転校生らしいぞ。ミナって言うんだ。
お前の隣、空いてて良かったな。
先生の隣を見ると、色白美人が立っている。

顔は小さくて白い。瞳は黒くて大きい。

背は高くないが、スラッとしていてスタイルも抜群。

なんだこの子、天使じゃねーか。
ジヒョ先生
ジヒョ先生
ミナ、席着いていいよ。
ミナと呼ばれた女の子は、こちらに向かって歩いてくる。

背筋も伸びてて、めっちゃ姿勢がいい。

俺たちのところは私立高校だから、制服が結構自由。

ソックスは好きなのでいいと言われているが、この子のソックスには有名なマークが。
あなた

シャ、シャ○ル?

ミナ
ミナ
よろしくお願いいたします……。
その女の子は、俺にニコッと微笑みかけた。

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