キーンコーンカーンコーン(チャイムがなる音)
俺の前の席に座っているヨファ。
俺の唯一無二の親友である。
つまらないホームルームの間に、軽く自己紹介するね。
名前はキムあなた。
高校2年生で、2年B組だ。
クラスでは目立つほうではなく、ただ平穏に過ごせればそれでいい。
自分から目立とうとするなんて俺には無理だ。
前髪は目までかかるくらいまである。
これは過去の秘密を隠すためでもあって、目立たないためでもある。
ヤベ、完全に耳が先生の話を拒絶してた。
ジヒョ先生はいつも元気で、生徒たちから絶大な人気を誇る先生だ。
優しくて相談にものってくれて若いから、お姉さんみたいな感じ?
とりあえず人気なんですよ。俺もかなり好き。
って、ん?先生、今なんて言いました?
先生の隣を見ると、色白美人が立っている。
顔は小さくて白い。瞳は黒くて大きい。
背は高くないが、スラッとしていてスタイルも抜群。
なんだこの子、天使じゃねーか。
ミナと呼ばれた女の子は、こちらに向かって歩いてくる。
背筋も伸びてて、めっちゃ姿勢がいい。
俺たちのところは私立高校だから、制服が結構自由。
ソックスは好きなのでいいと言われているが、この子のソックスには有名なマークが。
その女の子は、俺にニコッと微笑みかけた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。