第8話

#8
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2026/09/02 09:02 更新
lt
upさん、行きましょ
up
はいはい
2人で行くのは2回目なのだが、何故か慣れた自分がいる。


ltさんの軽い足取りを見てると嬉しくなるんだよな。


元気そうにいてくれることが。


今日は雨に加え、雷鳴も轟いている。


頻度は然程だが、やはり驚くには驚く。


近くに落ちなければいいが…

不安な思いを拭うため、他愛もない会話に花を咲かせていると

ピカッ、ゴロゴロ…

視界が点滅し、数秒後に落雷音が聞こえる。


何かで殴られたように、鈍く耳に響く。


俺は雷は平気だ。
lt
でも、ltさんはダメそうだ。


傘を手放すまでは行っていないが、目が潤んでいる。

up
雷、苦手なんですか?
lt
いや、そんなことないです…
up
そうですか
無理しなくてもいいんだけどなぁ…


悪いけど怖がってる方が可愛いし…
lt
up
やっぱ怖がってません?
up
顔がやたら固いんですけど
lt
何もないです!早く行きましょう
早く行きましょうは認めてるじゃん…
up
急ぎすぎも良くないですよ?
lt
いいから!早く!
lt
なんでちょっと笑ってるんですか!
up
顔に出てましたか笑
up
普通に怖いって言ったらいいのになって
lt
はい…怖いです…
lt
子供の頃から慣れなくて
lt
結構、1人な時が多かったので…
確かに、俺もめっちゃ苦手だった。


大きい音ってだけで怖かった。


部屋で蹲って、忘れるように眠ってた事を覚えてる。


俺が起きた時、親は頭を撫でてくれたな。


暖かくて、安心する手だった。


「よーし、頑張ったな。」と優しい一言も添えて。
up
ltさん
lt
はい…
up
昔、親が自分にしてくれた事があるんです
up
雷の日に
up
それ、ltさんにしてみていいですか
lt
別に、構いませんが…
俺は傘を持ってない方の手で、ltさんの頭を優しく撫でた。


丁寧に管理されているその髪はサラサラで、いつまでも触っていたい。

「よーし、頑張ったな。」
lt
そんなの、反則じゃん…
ltさんは俯き、何かを必死に堪えていた。


あれ?しちゃいけなかったか…


冷静に考えて雰囲気に流されすぎだよな…
up
す、すみません…やりすぎだったかも
lt
up
ほんとにすみません…
lt
upさん!
lt
休みの日会いましょう!
up
え!?
up
部活と被らなかったらいいですけど…
lt
じゃあ適当な日に来てください!
lt
私は多分ずっと家いるので
up
分かりました…早めに行きますね
lt
ありがたいです
lt
家後で教えときます
up
は、はい…
まーた雰囲気に流されたよな…


というか住んでるとこ言ったらまずいと思うけど…


俺好きバレしてるのかな…
lt
(よく耐えきったぞ私!)
この提案は、彼女が感情のオーバーヒートを隠す為の言い訳であった。


彼女の願いは、隠蔽という形で叶う事になったのだ。

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