2人で行くのは2回目なのだが、何故か慣れた自分がいる。
ltさんの軽い足取りを見てると嬉しくなるんだよな。
元気そうにいてくれることが。
今日は雨に加え、雷鳴も轟いている。
頻度は然程だが、やはり驚くには驚く。
近くに落ちなければいいが…
不安な思いを拭うため、他愛もない会話に花を咲かせていると
ピカッ、ゴロゴロ…
視界が点滅し、数秒後に落雷音が聞こえる。
何かで殴られたように、鈍く耳に響く。
俺は雷は平気だ。
でも、ltさんはダメそうだ。
傘を手放すまでは行っていないが、目が潤んでいる。
無理しなくてもいいんだけどなぁ…
悪いけど怖がってる方が可愛いし…
早く行きましょうは認めてるじゃん…
確かに、俺もめっちゃ苦手だった。
大きい音ってだけで怖かった。
部屋で蹲って、忘れるように眠ってた事を覚えてる。
俺が起きた時、親は頭を撫でてくれたな。
暖かくて、安心する手だった。
「よーし、頑張ったな。」と優しい一言も添えて。
俺は傘を持ってない方の手で、ltさんの頭を優しく撫でた。
丁寧に管理されているその髪はサラサラで、いつまでも触っていたい。
「よーし、頑張ったな。」
ltさんは俯き、何かを必死に堪えていた。
あれ?しちゃいけなかったか…
冷静に考えて雰囲気に流されすぎだよな…
まーた雰囲気に流されたよな…
というか住んでるとこ言ったらまずいと思うけど…
俺好きバレしてるのかな…
この提案は、彼女が感情のオーバーヒートを隠す為の言い訳であった。
彼女の願いは、隠蔽という形で叶う事になったのだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。