第65話

最初のカギ・1
85
2026/03/27 13:19 更新
オスマン
お花を、ガラス細工ねぇ
あなた
もういいですよ、バカにしてるんですよね?
プンプンと怒ったような顔をするが、不意にオスマンさんの顔に影がかかった

彼の私を見ているようで見ていないような視線に不安な気持ちになってくる



オスマン
そんな可愛らしいものやったら幸せなんやけどね
あなた
え?
ボソッと呟いたオスマンさんは少し悲しそうな顔をしながら、下を向いた





が、直ぐにパッと顔を上げ
オスマン
あ、ごめん、なんでもないめぅ〜

ニコッと笑いながらそう言って、頭冷やしてくるな、と続けたオスマンさん。

足早に立ち去ろうとする彼を、私は反射で掴んで止める









オスマン
……あー、やめときな、あなたちゃん。あんまり俺に触れん方がええよ

そう言われても私は離さない。


今離したら多分、もう会えない気がしてしまった
あなた
嫌です、離しません
グッと握る力を強くして、私はそう言った
オスマン
…あなたちゃんはそんな聞き分けのない子やなかった気がするけど、聞こえんかったんか?
 
冷たい言葉に一瞬怯んだが、いつもオスマンさんを思うと、これくらいなんて事ない

本当はこんなこと思ってない優しい人だってこと、私は知っているから


実際、今彼は私と目を合わせようとしない
あなた
聞こえてますよ。けど離しません

私がそう言うとオスマンさんはため息をひとつ吐きながら
オスマン
俺のこと、なんも知らんやろ
突き放すような言い方でそう言ったが私は気に止めず、さらに詰め寄る。
あなた
じゃあ、私にオスマンさんのこと、教えてくださいよ!
そして私がそう言ってオスマンさんの頬をバチッと挟むと、彼はやっとこっちを向いた












オスマン
さっきはごめんめぅ、焦って冷たい言い方になってしまって
あなた
わかってますよ
先程までセリスさんがいた席にオスマンさんを座らせ、私はその向かいの席に座った



開口一番に謝るオスマンさんはやはり優しい人だ


あなた
にしても焦るなんてらしくないですね、そんなにお花が嫌でしたか?
私がそう言うと、オスマンさんは下を向いて
オスマン
いや、そうじゃないんやけど、
と、なんとも歯切れの悪い回答をした
あなた
あ、紅茶、飲みます?
緊張しているのだろうか、いつもより若干肩に力が入っている気がするオスマンさんの緊張を解したいと思った私。

セリスさんの使用人さんが作ってくれた紅茶がまだあることを思い出し、腰を浮かせて、新しいティーカップに紅茶を注いでオスマンさんの前に置いた
オスマン
……うん、ありがとめぅ
















しばらく無言の時間が続き、ついに深呼吸したオスマンさんが

オスマン
じゃあ、教えよっか。俺のこと
そう言って悲しそうに笑った

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