いつもより、ずっと早く起きて、
昨日2人と約束したヘアアレンジをする。
三つ編みをして、それを
お団子にまとめる。
不器用なわけではないが、
慣れなくて少し手こずってしまう。
20分ほど、自身の髪と格闘して
ようやく完成。
普段しないことへの、
わくわくと不安に
いつも以上に鏡とにらめっこをして。
いくら、自分で鏡を見たって、
不安なものは不安。
だから、近くにいたお兄ちゃんに
念のための確認をしてもらう。
“かわいらしい”って。
…私の周りの人たちは
みんな、私を照れさせなければ
気が済まないのだろうか。
ここぞとばかりにお兄ちゃんが
にやにやと馬鹿にしてきた。
お兄ちゃんだって、褒めたら照れるくせに。
「さ、学校行こ!」
お兄ちゃんのその言葉で、
思ったよりも、時間が
経っていたことに気がつく。
その、お兄ちゃんの言葉に頷いて、
小柳先輩、気づいてくれるかな、
なんて少女漫画の主人公みたいな
想いを抱きながら。
今日はめずらしく、
お兄ちゃんと2人で学校に向かった。
学校に着くなり、
のぞみとめるとが突撃してきた。
私とお揃いの髪型をした、
いつもどおり賑やかな2人に
笑いながら、あいさつをする。
めるとが指さしていたのは、
リボンの形をしたピンクのヘアピン。
少し、誇らしげに。
ヘアピンを撫でながら言ってみせる。
だって、このヘアピンは今日の朝、
お兄ちゃんにつけてもらった、
お揃いのヘアピンだから。
そう言って、のぞみはカメラアプリを開き、
お馴染みの美白加工のフィルターにして
写真を撮る準備をする。
「撮るよー!」と、のぞみが声をかけて
3人でポーズをきめる。
無難に、みんなでピース。
プリクラみたいに、
とびっきりかわいいポーズをしないのが
きっと私たちの良さだと思う。
めるとの掛け声に
「おー!!」と2人で応えて。
私たちの体育祭が開幕したのだった。
少しお知らせ。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!