第12話

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2025/08/01 09:00 更新
きらきら、ぎらぎらと。

空からは、眩しい光が

注ぎ込まれる。



そしてその下では、

カラーのバトンを握り、走る生徒。

それに合わせるような歓声が響く。


こんなにも、歓声が

轟いているのには納得がいく。



現在は、午前で最後のプログラム。

3年生のクラス対抗リレー。

午前のトリとなるわけだ。

isgm
ね!あなたみてみて!


元気が有り余った声で呼ばれ、

彼女が指すほうをみれば、

私の好きな色が目に映る。

.
あ、小柳先輩…!


そう。小柳先輩がいた。



たくさんの声援の中で、

小柳先輩は走り出す。



さらさらの髪が揺れて。

それと一緒にはちまきがなびいて。



声援がまた。大きくなった気がした。


でも、私は。

応援の一言さえ口には出せなくて。



ただ、私の届かない遠いところを

走り去って行った。



そしてその先には、

名前も知らない女子の先輩。

その先輩は、次の走者に繋ぐための

バトンを握りしめて、

風を切って走り続けてく。




もし私が、小柳先輩と同学年なら。

あのバトンを、

受け取ることができたのかな。


でも、今は。

絶対に小柳先輩からのバトンを

受け取ることなんてできない。



ああ。こんなにも遠かったんだ。




無意識にもそう、思ってしまう。


なんとなーく、心に

小さな曇り空を抱えていたら、

3年生のリレーは終わっていて。

結果すら覚えていないし、

でも、あの大きな声援は

まだ耳の奥に残ってる。

krmc
あなた!お弁当たべよー!!


耳に残っていた声援が

めるとの声によって

きれいに流し出される。

.
うん!食べようか!


自分の中で育った、

少しばかり濁ったものを。

隠して。忘れるようにゆるりと笑う。



———そう。いつも通りに。








クーラーの効いた教室に入って、

いつもと変わらないのに

わくわくしながらお弁当の蓋を開ける。

krmc
あなたのお弁当、今日もおいしそ〜!
お兄さん、ほんとに料理上手なんだね!
.
ふふ!なんと今日は私が作ったんです!
.
今日、ヘアアレンジのために早起きしちゃったから!
珍しく自分で作ったお弁当から

卵焼きをお箸でつまんで

口に運ぶ。

.
午後は二人三脚があったよね!
isgm
そ!あなた、ちゃんと応援してよね!
.
もっちろん!!
二人三脚に出る2人に向けて

グットポーズをつくってみせる。

isgm
じゃ、そろそろ外行こっか!


その声に合わせて、

3人でまた校庭へ向かって行く。



さっきまでの曇った気持ちが

嘘みたいに思えるような笑顔で。

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