きらきら、ぎらぎらと。
空からは、眩しい光が
注ぎ込まれる。
そしてその下では、
カラーのバトンを握り、走る生徒。
それに合わせるような歓声が響く。
こんなにも、歓声が
轟いているのには納得がいく。
現在は、午前で最後のプログラム。
3年生のクラス対抗リレー。
午前のトリとなるわけだ。
元気が有り余った声で呼ばれ、
彼女が指すほうをみれば、
私の好きな色が目に映る。
そう。小柳先輩がいた。
たくさんの声援の中で、
小柳先輩は走り出す。
さらさらの髪が揺れて。
それと一緒にはちまきがなびいて。
声援がまた。大きくなった気がした。
でも、私は。
応援の一言さえ口には出せなくて。
ただ、私の届かない遠いところを
走り去って行った。
そしてその先には、
名前も知らない女子の先輩。
その先輩は、次の走者に繋ぐための
バトンを握りしめて、
風を切って走り続けてく。
もし私が、小柳先輩と同学年なら。
あのバトンを、
受け取ることができたのかな。
でも、今は。
絶対に小柳先輩からのバトンを
受け取ることなんてできない。
ああ。こんなにも遠かったんだ。
無意識にもそう、思ってしまう。
なんとなーく、心に
小さな曇り空を抱えていたら、
3年生のリレーは終わっていて。
結果すら覚えていないし、
でも、あの大きな声援は
まだ耳の奥に残ってる。
耳に残っていた声援が
めるとの声によって
きれいに流し出される。
自分の中で育った、
少しばかり濁ったものを。
隠して。忘れるようにゆるりと笑う。
———そう。いつも通りに。
クーラーの効いた教室に入って、
いつもと変わらないのに
わくわくしながらお弁当の蓋を開ける。
珍しく自分で作ったお弁当から
卵焼きをお箸でつまんで
口に運ぶ。
二人三脚に出る2人に向けて
グットポーズをつくってみせる。
その声に合わせて、
3人でまた校庭へ向かって行く。
さっきまでの曇った気持ちが
嘘みたいに思えるような笑顔で。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!