前の話
一覧へ
次の話

第17話

12
15
2025/10/28 14:30 更新
さっきまで散々からかわれたうえに、

マイペースな言動に振り回されている

小柳先輩がどうしようもなく

おもしろく感じる。


それはたぶん、いつも冷静でクールに見えるから。

その表情がよく変わることが新鮮だから。


そんな小柳先輩に、

抑えきれなかった笑みをこぼしながら

自分のスマホを取りだす。
.
あははっ!じゃ、撮りましょ!写真!

そう言って、少し加工の入った

カメラアプリを起動する。

お気に入りのフィルターに設定して、

スマホをちょっと高い位置に掲げて

私たち3人がしっかりと映るように。


そして傾きかけた日を浴びて、

輝くような笑顔を画面に向ける。
.
うん、ばっちり撮れました!
私は、撮ったばかりの写真が

映し出された画面を自慢げに2人にみせる。

その画面は、光を受けて

きらきらと反射する。

そのきらめきは、

日の光のせいだけではないはず。

シャッターを切った瞬間。

たしかに私たちのあいだに

きらきらとひかるまばゆい光があった。

それは、いつだって

途切れることはないはずだから。
.
写真、送りますね!

と、ほぼ無意識に発した言葉に気がつく。

写真を送る、ということは連絡先を

知っている必要があるのだ。

まだ、小柳先輩と連絡先を

交換できていなかったことを思い出す。


「はい」と、言う小柳先輩の声と

画面に表示された、

トークアプリのQRコードが目に入る。
.
っあ、ありがとうございます!

急な出来事にあたふたしながらも、

そのQRコードを読み取って

“友だち”になる。

まだ、”連絡先”という一言で

言えるようなものでしか繋がれないけど

いつか、ちがうもので繋がれたのなら。

そう、ささやかな願いとわがままを

こめてスマホの画面を見つめる。
.
じゃあ、写真は後で送っておきますね!
kyng
うん、ありがと。

連絡先も無事に交換できたところで

お兄ちゃんたちは友達の方へ戻って行った。
akg
じゃあ僕たちはみんなのとこ戻るね〜!

と、お兄ちゃんはぶんぶんと

大きく手を振って、

小柳先輩はひらひらと手を振ってくれた。

それに応えるように

2人に笑顔で手を振りかえす。


私も、のぞめるのところに戻ろう、

と思ってくるりと後ろに振り返る。
.
あ、

…目が合ってしまったと思って

すぐさま目を逸らす。

でも、もう遅かったようで、

にやにやした2人がこっちに向かってくる。



そんなこんなで、

のぞめるに2回も詰められ、

小柳先輩とちょっと近づけた気がした

体育祭が終わったのだった。
お久しぶりです〜🥲更新してなくてごめんなさい🙏🙏

久しぶりなので読み返したりして楽しんでいただけるといいな🥹

プリ小説オーディオドラマ