第39話

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2021/09/25 09:08 更新













耳元で水の音が聞こえる。
滲みるが目を開けてみれば、淡い光が照りつけていた。


この世界に住む生き物の群れが俺の目の上を通り過ぎる。


俺はこの世界に住む生き物じゃない。だからこそ、この世界で住む機能が搭載されていない。
俺の周りを包み込むのはなにもない、冷たいものだ。






あの時俺はなにをしていたのだろう。




冷たい何かが俺のなにかを攫っていく。
目を瞑ったその瞬間、真っ暗な世界に色鮮やかな光が舞った。


一度きりではなく、多い頻度で宙を舞った。



ああ、そういえば今日は花火大会か。






俺は眩い光に手を伸ばす。


口から吐き出される、最後の酸素を吐き出して。
足元から冷たくなっていくのを感じた。

脈が俺の身体中でざわめき出すのが聞こえる。


誰かの歓声も、誰かの叫び声も、あの光の音も聞こえない。
俺の体が、心臓が動いていることだけは感じる。





(ああ、俺ももうじき終わる__)









「_____」









最後に頬を撫でたのは、冷たい液体ではなく暖かい気体。
俺は目を微かに開けると、青いような白いような彼女の姿。

手を伸ばすと、暖かさが伝わった。





「ありがとう」



















暖かい空気を、貴方へ。

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