第63話

61 まだ少しだけ、弱いままで(高熱💛①)
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2026/02/19 15:47 更新
篠塚side

今日は3人だけのダンスレッスン。
猪俣周杜
猪俣周杜
じゃあ通しちゃおうー
周杜はいつも通り軽く腕を回して位置に入っていた。
猪俣周杜
猪俣周杜
今日なんかめっちゃ調子いい!
篠塚大輝
篠塚大輝
それ毎回言ってるやろ?笑
猪俣周杜
猪俣周杜
言ったもん勝ちでしょー!
篠塚大輝
篠塚大輝
なんやそれ笑
軽口も動きもいつもと変わらない。
少なくとも、ぱっと見は。

音が止まった後、将生がふっと眉を寄せた。
橋本将生
橋本将生
周杜、なんか息上がるの
今日早くない?
猪俣周杜
猪俣周杜
え、そう?笑
なんてことない感じで返事する周杜だが
確かになんか様子がおかしい。

俺は何も言わず少しだけ距離を詰めた。
顔色、額の汗、呼吸の浅さ。

橋本将生
橋本将生
もう一回やれるの、、?
猪俣周杜
猪俣周杜
余裕だよ!
そう周杜は即答して位置に戻る。

でも、次の通しの途中で。
猪俣周杜
猪俣周杜
…うわっ!
一瞬だけ動きが遅れ、ぶつかりかけた。
篠塚大輝
篠塚大輝
大丈夫か?
猪俣周杜
猪俣周杜
ごめん!
なんかちょっとね笑
周杜はこめかみを軽く抑えてすぐに笑った。
猪俣周杜
猪俣周杜
でも全然いけるよ!やろ?
そんな周杜の様子を見て
俺と将生は視線を交わす。
橋本将生
橋本将生
…今日はここまでにしよう
と将生が言うと周杜が目を丸くした。
猪俣周杜
猪俣周杜
え、早くない?
篠塚大輝
篠塚大輝
3人だし詰めすぎても意味ないやろ?
猪俣周杜
猪俣周杜
まあ、確かに?
周杜は深く考えない様子でタオルを首にかけた。
帰り道。

橋本将生
橋本将生
周杜さっき頭痛かったの?
猪俣周杜
猪俣周杜
少しね。
でも寝たら治るやつだと思う
篠塚大輝
篠塚大輝
熱っぽさは?
猪俣周杜
猪俣周杜
ないない!
と即答する周杜。
猪俣周杜
猪俣周杜
俺風邪とか引かないし笑
それ以上俺も将生も体調に関しては
何も言わなかった。

ただ、周杜の歩くスピードがいつもより半歩遅いのを見ていた。
家に着いて、靴を脱いだ瞬間だった。
猪俣周杜
猪俣周杜
なんか熱くない?
周杜がいきなりポツリと呟く。
篠塚大輝
篠塚大輝
なにいきなり
猪俣周杜
猪俣周杜
いや、なんか急に
今度は将生が無言で近づいて周杜の額に手を当てた。
橋本将生
橋本将生
お前、熱くね?
猪俣周杜
猪俣周杜
え、まじ?
猪俣周杜
猪俣周杜
盛ってるでしょ、将生くん笑
橋本将生
橋本将生
盛らないでしょ
周杜の冗談めいた口調に淡々と返す将生。
篠塚大輝
篠塚大輝
ちょっと測り
猪俣周杜
猪俣周杜
えーだるぅ
そう言いながらも周杜は素直に従った。
猪俣周杜
猪俣周杜
38.9?
篠塚大輝
篠塚大輝
は?
橋本将生
橋本将生
高っ
篠塚大輝
篠塚大輝
頭痛いんちゃう?
猪俣周杜
猪俣周杜
ズキズキする
そこでようやく周杜の顔から余裕が消えた。
橋本将生
橋本将生
周杜一回ソファ座ろ
将生が肩を支える。
猪俣周杜
猪俣周杜
大丈夫だってば
なんて言いながらもソファに座った途端
周杜は一気に黙った。

普段はめちゃくちゃうるさい人が
こんなに黙っている。

それだけで十分すぎるほど嫌な予感がした。

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