第6話

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2024/04/05 10:50
« 魔法の森 霊夢side »
メシア
では、私はこれで
そう言ってメシアは魔理沙をどこかへやった
……は?
霊夢
霊夢
何が「私はこれで」よ行かせるわけないじゃない
霊夢
霊夢
それと、魔理沙を何処へやったの
メシア
魔理沙……人間の魔法使いのことでしたら移動する準備の為転送させました
霊夢
霊夢
その転送させた先を聞いているのよ
メシア
そこは貴方には関係ないかと
メシア
博麗の巫女よ、退いて下さい
霊夢
霊夢
嫌よ
メシア
私には、一刻も早く人類を救わねばならぬ使命があるのです
本当に自分が正しいとしか思わないのね
この堅物!
霊夢
霊夢
別に人類は救われたいなんて思ってないと思うけど
霊夢
霊夢
というか、記憶が無くなることが救いだなんて馬鹿げてるわ
メシア
先程も言ったでしょう
メシア
記憶があるから人類は脅え、挑戦する意思が無くなってしまうのだと
霊夢
霊夢
消されたくない記憶もあるって私も言ったでしょうが
メシア
ええ、ですから確かめるのです
メシア
救いの手は早ければ早いほど良い
メシア
私は急がねばならないのです
霊夢
霊夢
行かせないわよ
霊夢
霊夢
魔理沙を置いていきなさい
メシア
1人の犠牲は何十億人もの命を救います
霊夢
霊夢
犠牲と言った時点でもうアウトなのよ
霊夢
霊夢
霊符「夢想封印」
弾幕の間は荒いかもしれないけど、量で押す
逃げ道を塞いだところで一気に叩くわ
霊夢
霊夢
……?
手応えがない。逃げた?そんな隙間は……
考えているうちに弾幕が晴れてきた
霊夢
霊夢
居ない……
逃げる隙なんて、なかったはずなのに……
霊夢
霊夢
結局魔理沙が何処へ転送されたのか聞けなかったわね
霊夢
霊夢
急いで紫に報告しないと……
霊夢
霊夢
報告しないとって思うのが癪ね
霊夢
霊夢
転送、ねェ……
あの量の弾幕じゃ私の目を掻い潜って逃げることはほぼ不可能なはずなのだけれど……
魔理沙を転送したとか言ってたし、自分を転送でもしたのかしら
まあ1番可能性が高いのはそれでしょうね
霊夢
霊夢
もう散々じゃない
霊夢
霊夢
スペシャリストなら役に立ちなさいよ
霊夢
霊夢
なんで敵に利用されてる訳!?
まあ不可抗力よね、怒っても仕方がないわ
私は1度落ち着いて深く息を吸い込んだ
霊夢
霊夢
紫ー!
そして叫んだ
アイツのもつスキマなら私のことを追うか、すぐに把握できるようになってるでしょう
早く来なさい、報告が山ほどあるのよ
すると目の前で突然空間に穴が空き、扇子を片手に優雅に出てきた
紫
そんなに大声で叫ばなくても聞こえるわ
霊夢
霊夢
こっちは急いでるのよ、効率を考えた結果
紫
そう
紫
私を呼んだってことは何かあるんでしょう?
紫
……魔理沙のことかしら?
紫は少し考えてから直ぐにそう言った
観察眼に優れているって言うのかしら
霊夢
霊夢
見てたの?
紫
見てないから報告してもらうんでしょう
霊夢
霊夢
じゃあなんでわかったのよ
紫
居ないから、しか理由はないわ
納得できるのが腹立つわ
私は今起こったことを出来るだけ簡潔にまとめ、紫に伝えた
コイツなら必要と思うところを自分で聞くか調べるでしょう
霊夢
霊夢
あんたの言った通り、雲が揺れる異変じゃなくて他の異変だった
霊夢
霊夢
それも、人間を炙り出す異変よ
霊夢
霊夢
主犯は「メシア」と名乗った黒い人影よ、人間でも妖精でもない
霊夢
霊夢
狙いは全人類の記憶を消し、記憶にとらわれなくすること
霊夢
霊夢
交渉はしたけどアレはダメね
霊夢
霊夢
自分が正しいと信じて疑わない堅物だったわ
霊夢
霊夢
そんで、記憶と行動の関連性を調べるため魔理沙がサンプルとして連れていかれた
霊夢
霊夢
どこにいるかは分からないわ
霊夢
霊夢
アンタなら見つけられるでしょ、早く探して頂戴
結局紫は口出しひとつすることなく黙って最後まで聞いていた
紫
冷静さが欠けているわね、見て取れるわ
紫
サンプルなんて穏やかじゃないからわからないこともないけど……
紫
ひとまず落ち着きなさい
紫
話はそれからよ
霊夢
霊夢
事態は一刻を争うのよ!?
霊夢
霊夢
そんな時になんで……!
紫
霊夢
紫
一刻を争うからこそ落ち着かなければならないの
紫
貴方だって判っているでしょう
紫は焦りも呆れもない静かで冷静な目で私を見つめていた
 
 
Next˚ *  ੈ ‎𖤐

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