第7話

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2024/04/06 11:43
« 魔法の森 霊夢side »
霊夢
霊夢
わかってるわよ、悪かったわね!
紫
そう、ならいいの
紫
急いで人を集めて対策に当たるわよ
紫はまるでこうなることを予測していたかのように淡々と語る
こういう時まで落ち着いているのが本当に癪ね
霊夢
霊夢
昨夜も早苗も見てきたでしょう?
霊夢
霊夢
無事だったでしょうね
紫
ええ、勿論
紫
あと、魔理沙だけど……
紫
幻想郷の外に出られたら私たちに打つ手はないわ
紫
急ぎつつ、ゆっくり行きましょう
霊夢
霊夢
……外に出るまでに対処する
霊夢
霊夢
外に出たら……
嫌よ、そんなことは考えたくない
紫
霊夢
紫は嫌という程此方を真っ直ぐ見ている
もう何を言いたいか予想が着いてしまうほどに
紫
わかってるでしょうけど、貴方は博麗の巫女よ
霊夢
霊夢
わかってるに決まってるでしょ
紫
なら……
霊夢
霊夢
その先は辞めて、言わないで頂戴
紫
……
紫
……はァ
私が否定の言葉を口にすると紫は呆れたように後ろを向いた
そして振り返ることなく言った
紫
残念だけど、私が動くのは幻想郷の存続に関わるようなことだけよ
残念だなんて思ってないくせに
紫は振り返らない
紫
それ以外は私の気分が向いたら
紫
だって、面倒じゃない
すると空間に切れ目が入り、スキマが開いた
紫
着いてきなさい、レミリアが紅魔館を貸してくれたわ
私が黙って紫に続こうとするとスキマまであと一歩のところで紫は突然こちらを振り返った
と言っても目線だけが此方を向いている、程度だけど……
紫
あんたは博麗の巫女なのよ
紫
優先順位くらいわかってるわよね
紫
幾ら仲のいい友人だからって、幻想郷の存続と比べたら大したことないわ
そう言ったきり、紫は歩いていってしまった
スキマが開きっぱなしの辺り、私が暫く動けないことも全て予測していたんでしょうね
本当に腹が立つ、あのスキマ妖怪……!
霊夢
霊夢
……わかってるわよ
魔理沙が幻想郷では無い、他の世界に行ってしまったら幻想郷に直接害がない限り優先順位は大幅に下がる
紫が動くかだって確かじゃない
でも幻想郷ここから出て、探す方法なんて、アイツに頼るか、パチュリーの所で魔導書を読み込むくらいしかない
それだってできるか分からないし、確定じゃない
もうほぼ諦めないとダメなのよ
でも……それじゃあ納得いかない
居なくなって清々する……?いつもの私ならそう思うかもしれないけど、今はどうしてもそうは思えない
紫
霊夢!
霊夢
霊夢
っ!?
気づいたら紫が目の前に居た
紫
あんたが魔理沙を心配なのはわかるわ
紫
だって記憶が消されて、実験体にされたんですものね!
改めて言わないでよ、考えないようにしてたのに
紫
あんたは魔理沙の可能性を舐めてるわ
紫
魔理沙が自力で戻ってくる可能性もあるじゃない!
紫
あんたは魔理沙の親か何か!?
紫
今落ち込むタイムロスは要らないわ
紫
後にしなさい!
霊夢
霊夢
……そうね、悪かったわ
霊夢
霊夢
もし魔理沙がここ幻想郷出ても、アンタは全力で私と魔理沙のサポートをしなさいよ
霊夢
霊夢
スキマ妖怪!
紫
ふふ……気が向いたらね
スペシャリストなら、自力でどうにでもできるでしょ
絶対戻ってきなさいよ
私も全力で方法を探すから!
あんたなら余裕でしょ、魔異変解決のスペシャリスト沙!

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